3.31.2021

[film] Tom & Jerry (2021)

3月27日、土曜日の晩、Sky TVで見ました。レビューはあんまよくないけど、見ないわけにはいかない。
犬のドキュメンタリーについて書いたので次は猫とネズミのコミックを。

アメリカでは1940年から始まっているHanna and Barberaの、Looney Tunesのショートアニメーションは、子供の頃にTVでいっぱい見て(なんか普通にやっていたのであたり前のように見ていた、TV欄なんて知りもしなくても)、あのスピードとか滑らかな動きとかぐにゃぐにゃ自在な体とかありえないしどうやって作っているのかわからなくても大好きだったしものすごく影響を受けたし、いまだに「アニメーション」と言われて浮かぶのは白黒TV画面から飛びだしてきそうな彼らの姿だし。 Jerryが追い求める穴のあいた三角のやつが雪印の6Pチーズと同じチーズだと知ったときには世界が広がった気がしたものだったし。

アニメの方は”Tom and Jerry”で、映画版の方は”Tom & Jerry”なのね。

NYのセントラルパークでピアノを弾いてお金を稼いでいたネコのTomがネズミのJerryにちょっかい出されて二匹のノンストップ追いかけっこが始まり、その竜巻に職にあぶれた詐欺師で有名ホテルでのセレブの結婚式の大イベントを仕切る役職に履歴書すり替えで入ったばかりのKayla (Chloë Grace Moretz)が引っかかり、ホテルの上司にはTerence (Michael Peña)とか、厨房にはKen Jeongとかもいて、結婚式をする我儘カップルはBen (Colin Jost)とPreeta (Pallavi Sharda)で、象を連れてこいとか言うのでめちゃくちゃで、そこにホテルに住み着くことにしたJerryと、ネズミの出没を許すわけにはいかないホテルと、Jerryの存在を許さないTomが加わってぐるぐるの追っかけっこが始まるの。

実写+アニメというと過去には“Who Framed Roger Rabbit” (1988)とか“Space Jam” (1996)とかが思い浮かんで、前者はノワールで、後者はボディスナッチャー&スポーツで、それなりにシリアスなネタにアニメのキャラがどう絡むか、が見ものだった。TomとJerryのにしたって絶体絶命のシチュエーション、ていうのが不可欠のはずなのに、今回のは割とどうでもいい – どうなってもいいやつ(誰も - 結婚の当事者ですらどうでもいいと思っているような)だし、我々はTomとJerryの命がけの綱渡りや追っかけっこを見たいだけ(かわいさなんていらない)なので、ちょっと難しかったかも。ネコとネズミの異次元のスピードに実写の世界が追いつけるとは思えない - 高画質のデジタルにも馴染んでいない気がした。やっぱり白黒のブラウン管で見るのが最適なのではないか、とか。

このネタ(格式高いホテルと結婚式)って本当はPaddingtonのシリーズとかMary Poppinsのような、英国をベースにしたコメディの方が馴染む気がする – あのカップルってHarry and Meghanをおちょくっている(.. このタイミングで、って少し)ようにも見えるし。ネズミもロンドンのやつの方がちっちゃくてすばしこいし。

あとは実写パートを加えずに”Snoopy and Charlie Brown: The Peanuts Movie” (2015)でやったようなやり方 – ひたすら立体化に着目してみる - もあったのでは、とか。

Chloë Grace Moretzさんはこれを機に軽めのどたばたコメディの方 - Meg RyanやSandra Bullockがやったような – に行ってみてほしかったのだが、やや残念だったかも。脇の人たちはみんなおもしろかったのに。当初企画があったというJennifer Lawrenceさんの方がSMみがでて面白くなったのではないか、とか。

Tom and Jerryを含むLooney Tunesのショートアニメを延々流し続ける上映会があったらなー。リストアとかしてない昔の16mmフィルム上映で、音とかも割れてていいの。いつ出ても入ってもいいの。売店ではおいしいチーズとか売ってるの。


“Saint Maud” (2019)の監督 - Rose GlassさんがA24で出しているzine - “Salvation!” が届いた。
Aloïse CorbazにWilliam BlakeにAntidotesにLourdesに..   なんかすごい。こわい。

とにかくこうして3月が行ってしまう..

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