3.29.2021

[film] Amber and Me (2020)

3月21日、日曜日の晩、サイトから直接買ってみました。World Down Syndrome Dayのこの日に公開された作品。

https://www.amberandmefilm.com/

59分の短いドキュメンタリーだったので、書くのも少しだけ。 とってもキュートなので見て(日本からも見れるはず)。

OliviaとAmberの双子の姉妹がいて、Amberはダウン症で、彼女が初めて学校に行った日から始まって、だいたい4年間、お父さんのIan Daviesが自分でカメラをまわして撮り続けてきたもの。

お姉さんのOliviaがとてもできたよいこで、学校でのAmberのこともずっと気にかけて面倒を見てあげている。けど、Amberがダウン症だから、とかダウン症だけど、とかいう台詞は一切出てこなくて、当たり前だけどそこにはAmberが呟く声と、それに応えるOliviaやパパの声しかない。Amberは初めのうちはだいじょうぶ、と言っているものの、だんだんひとりでぽつんといることが多くなり、やっぱ学校あんま行きたくないな…  になっていく。

それではそこを家族でなんとかしなきゃ、って家族みんなで力を合わせてがんばるのかというと、そういう方にはいかなくて、OliviaはAmberとおうちでいろんなことをして遊んだり、カメラを回しているパパが被写体のAmberにいろんなことを話しかけたりするだけ。 ダウン症だからって泣いて悩んで何かを克服したり家族が力を合わせたりどこかと交渉したり喧嘩したり、そういうドラマとは別の視点で、Amberがふだんなにを見てどんなことを言ったり反応したりするのか、それだけを追っている。 裏では日々いろいろあるのかも知れないけど、これだけで十分じゃないのか。

こうして、レジのおもちゃ(あれほしい)で遊んだり、イチゴを頬張ったり、姉妹でお菓子を作ったり、パパと壁登りをしたり、ままごとをしたり、そういうのをしながらいろんな表情でいろんなことを言うAmberの姿がいっぱい。 それだと家で撮ったただのホームビデオ映像じゃないの? かもしれないけど、それ - 家族の日々をきちんと編集して見せられるものにして、そこでAmberがどんなふうに生きているか、彼女がなにを辛いと思ったり嬉しいと思ったりするのか、そこを並べてわかるように伝える、これができているからー。

終わりの方で、Amberはリーディングが得意であることに周囲も自分も気づいて、これって楽しいかも、学校続けられるかも、になる。だからといって今の世の中にあるダウン症にまつわる「問題」あれこれがどうなるというものではないかも知れないが、こういう視点ややり方もあるということがわかるだけで、少しだけ楽になったりするものがあったりしないだろうか。

辛い思いをしないで、って思う。電車やバスでのベビーカーのこととか、やたらぶつかってくる男共とか、ホームレスの排除とか、学校のばかみたいな校則とか、自分の思った通りの風景や居心地にならないのが我慢できない - それを貫くことがなにかのためになると信じこんでいる愚かな連中が幅を利かせている日本だと、こういう視点も潰されてしまう気がして。 と書くとこっちだって辛いんだ、とか必ず返してくるバカがいるし。

とにかく、Amberのふだんの言うこととか、返してくる反応がおしゃまでかわいくて、とてもあんなふうに英語で受け応えできないわ、って。 あと、こっちのままごとはやはりお茶会になるのか、かなわねえな、とか。

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