3.14.2021

[film] History is Made at Night (1937)

3月7日、土曜日の昼、Criterion Channelで見ました。題名はよく聞くクラシックだけど見たことなかったかも、って。監督はFrank Borzageだし、製作はWalter Wangerだし、撮影は(uncreditedだけど)Gregg Tolandだし、主演はJean ArthurにCharles Boyerだし、見なきゃ、って。 邦題は『歴史は夜作られる』。

アメリカの海運王で大金持ちのBruce Vail (Colin Clive)の妻Irene (Jean Arthur)は、夫があまりに性悪なので離婚を決意して置き手紙をしてパリに発つ。Vailは運転手のMichaelに命令してホテルにいるIreneといちゃついているところを写真に撮ればそれをネタに離婚成立を阻止できるから(そういうとこが嫌われるんだよ!)って、金に困っているMIchaelを脅して派遣する。 パリのホテルで夜中にIreneの悲鳴を聞いたPaul (Charles Boyer)は、彼女の部屋に入ってMichaelをぶん殴って気絶させ、写真を撮るために現れたVailたちには宝石強盗のふりをしてクローゼットに閉じ込め、Ireneを連れてそこを抜け出す。

もちろん突然拉致されたIreneは怯えきっているのだが、車のなかでPaulは宝石をぜんぶ彼女に返して、あれがあの状況では一番わかりやすい脱出方法だったろ、って説明して、もう遅いけどパリでベストのシャンパンを出す店にお連れしよう、ってお店 - Château Bleuに向かう。けどもう閉店の時間でバンドもシェフのCesare(Leo Carrillo)も帰ろうとしているところで、Cesareにはこちらのミスアメリカが君のことを知っているよっておだてて、バンドにはシャンパン奢るからって店を再開させる。

なに食べようかってIreneに聞くとスクランブルドエッグとかいうのであぁ(なめてんのか)? ってなって、PaulがまずシャンパンはPink Capの1921年、Lobster Cardinale à la Cesareと”Famous” Salade Chiffonnadeを - ドレッシングは自分が混ぜるから、ってCesareと揉めて、とにかくふたりはテーブルで自己紹介をする。Ireneはカンサスの生まれで、あなたは? って聞かれたPaulは女性と住んでる、って。すこし雰囲気が荒れてもPaulが自分の左手に落書きしたCocoを紹介すると和んで、Cocoを通して彼女のひどい結婚のこととかを話して、Cocoを通してタンゴをはじめて、彼女は靴を脱ぎ捨てて踊り続けて、バンドがひとりひとり寝落ちして最後のひとりになる朝まで続く。(お料理は..?)

こうして彼女をホテルに送り届けるまでが本当にすばらしいのだが、でもその裏でVailはMichaelを殺してPaulを強盗殺人犯にでっちあげているので、ひどいったらない。 彼女がホテルの部屋に戻るとそういう状況になっていて、VailはPaulを追っかけるのをやめるのと引き換えに自分と一緒にアメリカに戻るようにいう(さいてー)。

Ireneとお店で - Paulはここのヘッド・ウェイターだった - 夕方の5時に待ち合わせをしていたのにいつまでたっても彼女が現れないのでおかしい、って新聞をみたらNYに戻った、とあるので船上の彼女に電話して、その様子がおかしかったのでPaulとCesareは一緒にNYに向かうことにするの。ここ、船上でどこまでも鬼畜なVailのせいでPaulへの愛を再確認するIreneと、俺ら狂っているよな、って共にNYに向かうことにするPaulとCesareがとってもいいの。

NYについたふたりは、そこそこのレストランに入って、この店を乗っ取ろうぜって、ブイヤベースを頼んで、その味となんもしてないウェイターのサービスにケチをつけて(わかるー)、自分たちがやったらこんなもんさって実演して、ふたり揃ってそこに雇われて、そしたらそこは途端に予約の取れない人気の店になり(わかるー)、でもPaulはIreneが来たときのために1席だけはずっと確保している。

NYではVailと離れてモデルの仕事をしていたIreneはパリで容疑者が捕まったという連絡を受けて、確認のためVailと現地に向かうことにして、その直前にPaulの店に…   ついたお店でPaulを見つけたIreneの反応 - けらけら笑いだす - が最高で、Paulはふたりが出会った晩と同じメニューを力強く勧めるの。

Vailと船に向かう車中でIreneは自分のチケットを破り棄ててPaulのところに走り、ひとり憮然としているPaulの前に再びCocoが登場してふたりを結んで、一緒にタヒチに行ってそこで暮らそう、って旅行代理店の前まで行くのだが、やっぱり自分が無実であることを証明しないと、とふたりはパリに戻ることにする。ところがやけくそのVailが濃霧のなか船に無茶な運転をさせたせいで…

最後はタイタニックみたいになるのでびっくりなのだが、とにかく出会った途端に輝いて、再会した途端にみるみる輝きを取り戻すふたりを見ているだけでいいの。あの時にあんなことが起こらなかったらの連続と連鎖がこんなことやあんなことを引き起こして、っていうスクリューボールよりもう少しまじめなやつで、氷河が船にぶちあたろうがなにしようが切れない揺るがない運命の糸についてのドラマなの。

ブイヤベースのところは頷くしかないのだが、これ、逆にアメリカ→パリのお話だったら成立しない気がする。

Mary Steenburgenさんて喋り方とかJean Arthurさんに似ているよね。

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