2.01.2011

[music] Iron & Wine - Jan.29

前にも書いたがこの週末はいろいろあって悩んだの。

The Muffsが復活してBrooklynとHobokenでライブをした。土曜日にはBrooklynでMission of Burmaもあった。微妙なところではTodd RundgrenのUTOPIAの復活ライブ、というのもあった。

この日のIron & Wineは、会場がでっかいRadio Cityだし、売り切れることもないだろうから直前でいいや、と思っていた。 新譜のプロモーションでConanとかFallonとかTVにも露出していたので、それらを見た上で、でもこのバンドにとって大きな、記念碑的な一歩となるライブには違いないのでやはり見ておくべきよね、程度には。

そしたら2日前にSold Outの貼り紙が出てしまってびっくらよ。 その直後にTicketmaster行ったら、まだ上の上のほうの席はあって、でもあそこの上のほうの席ったらほんとに上で遠くて、これに$50かあ、ということで一旦保留にした。

そしたらやっぱりシリアスに売り切れてしまったようで、前日の金曜日はいくらアクセスしてもぜんぜんだめで、でもいちおう未練たらたら30分おきくらいに繋ぎに行ってたら(仕事しろよ)、2:30くらいにようやくひっかかった。
ここまでくるとひっかかってくれただけで感謝、ということであんま確認もせずにとりあえず買って、当日中に入ってみたら1階の前から6列目くらいのどまんなかだった。 
ありえない。 あの仕組みはなんかおかしい。

というわけで久々のRadio CIty Music Hall。 最後にここに来たのは2004年のModest Mouseだったかしらん。

前座はEddie Brickellさん。 バックに4人編成のバンドがついて、ギターと柔らかいキーボードの音が心地よく、ボトムはタイトでシャープな都会の音。 一曲一曲がほんとに素敵で、その流れのなかで"What I Am."みたいなヒット曲(なつかしー)もさらさらと流してしまう。

ちなみに、バンドのギターはCharlie Sextonさんでした。 なかなかよいかんじの中年男になっていた。

さて、Iron & Wine。
最初にSam以外の男2(弦とKey)、女子コーラス2が出てきて"He Lays in the Reins"から。
静かに澄んだ上澄みのおいしいところ、しかしはっきりとなにかが漲ったこの状態が30分くらい。 
この編成でずっと、でもぜんぜんよかった。

そのあとでぞろぞろ、パーカッション2、管3、B1が加わり、総勢11名の大所帯になる。
バンドの頭数でいうと、こないだのSufjanとおなじだ。

しかし、やはり、どんなに音数が増えてもSamの歌のまわりに透明な膜が被さっていくだけのようで、決してHotにもBoldにもならない。 どこかさめざめとしていて、そんななか歌だけがまっすぐに突きぬけてくるような。
例えば、Todd RundgrenのSomething/AnythingのD面のセッションみたいな、あんなかんじよ。

新譜はまだ聴けていないが、Calexicoとの競演以降、歌のコアは変えずに、しかしスタイルを変え編成を変え、ひそやかに実験を繰りかえしてきたこのバンドの、とりあえずの成果報告がこのライブなのだろう。

そしてそれはこれからもバンドが変化していくことをまったく恐れない、恐れる必要がどこにあろうか、ということをにこにこと揺るぎなく語っているのだった。

よい意味で落ち着いた、雪の晩にはとってもよくしみるライブでした。

アンコールはSamひとり、ギターで1曲だけ。 "Trapeze Swinger"
ここまで来ても、これだけの拍手と喝采で迎えられても、おびえる空中ブランコ乗りは"Remember me"と、それだけを切々と訴え続けていて、それは確かにそういう歌として静かに、しかししっかりと届いたの。


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