2.24.2011

[film] The Velvet Underground and Nico (1966)

"The Panic in Needle Park"の後で、地下鉄で上にのぼってLincoln CenterのFilm Comment Selectsから。    Andy Warholがバンドを撮った2本。

べつにどっかでDVDでも出ているだろうし、見なきゃいけないってもんでもないのだろうが、ここで見ておかないとたぶんずっと、一生見ないことになりそうな気がしたし、あそこだと音もでっかいし、行っておこう、と。

最初が”The Velvet Underground in Boston” (1967)ていう33分の中編。

ライブフィルムだとおもうでしょ。 たしかにライブ会場でカメラをまわしているのでライブフィルムにはちがいないのだけど、でも音楽はほとんど聞こえてこない。 どこか遠くでがんがん鳴っているのは聞こえる。 なんの曲かはあんましわからない。

最初は上映機材が壊れたのかしら、と思っていたのだが、そうでないことがわかってくる。
バンドはほとんど映っていなくて、ライティングを操作しているとことか、ぼーっと立っているだけの人とか、気がふれたみたいに踊っているひととか、そんなのばっかり。

半分くらいのひとは、またアンディがやってるよ、てかんじで寝てたかも。
でも、これだってライブフィルムなのだよ。 
3Dのジャスティン・ビーバーのとおんなしカテゴリーのね。

で、次の "The Velvet Underground and Nico"がメイン。

最初のNicoのショットだけでわーい、になる。

これも相当変、ではあった。
モノクロでバンドが演奏しているとこを撮っただけ、なのだが、カメラはびゅんびゅん揺れたり振れたり寄ったり離れたり、音もミキサーとか勝手にいじるんじゃねえよこの白あたま、というわけでところどころで伸びたり縮んだりしている。 適当にあそんでみました、みたいな。

バンドのコンセプトをつくったのは白あたまだし、自分のお金で撮ってるんだからなにが悪いの?なんだろうが、たまにこのやろうはー、というかんじにはなる。 しかし、バンドはそんなのとは無縁に引き締まった轟音を延々鳴らしているだけ。 クール。

曲は、"Sister Ray"みたいなガレージサイケを1曲だけ、ヴォーカルなしで延々、がんがん演奏していくだけなのだが、"Sister Ray”がそうであるように、ひたすら気持ちよくずるずる引き摺られていくかんじがたまらない。
あと1時間でも2時間でも聞いていられる。
特にJohn Caleのヴィオラがベースに変わったあたりから、すんばらしくうねる音になる。

メンバーもかっこいいよね。 Nicoは勿論、Lou Reedも、Sterling Morrisonも、John Caleも、Maureen Tuckerですらも。 まんなかでずっとはしゃいでるガキはNicoとAlain Delonの子供らしいが、いいよな、あんな連中に遊んでもらえて。

半分を過ぎたくらいで、だれかから通報があったのかポリスが(バンドじゃないよ、もちろん)きて、圧力をかけるのだが、なにゆってんだか、てかんじでほぼ無視して演奏を続けるLou Reedもえらい。

最終的にはもっと沢山のポリスがきて本格的に撤収、となって、そこから暫くのあいだも放置されたカメラはまわり続けるのだが、みんな適度にばらけていて、バンドていうかんじがしなくて、そこもいいなあ、て。

終わってから待合室でDJパーティがあって、みんな寄って楽しんでいってね、だったのだが水だと思って飲んだのが白ワインで、目がまわってしまったので退散した。


Film Commentの特集の目玉と書いた"Straight to Hell Returns"であるが、Walter Readeの翌日、92Y Tribecaでも上映することがわかった。しかもこっちはAlex CoxとJim Jarmuschの対談つき。 どっちにしても行けないけど...   ちぇ。

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