2.15.2011

[music] Don Giovanni Records Showcase -Feb.12

前にも書いたがこの週末はライブがほんとになくて、St. Ann's Warehouseで3日間上演されたBrooklyn Youth Chorusの”Tell the Way” - Nico Muhly (他にThe Nationalのひととかが参加)か、Mercury LoungeのScott Kelly (Neurosis)とWinoのアコギ対決か、これくらいしかなくて、Screaming Femalesが見れるのなら、とこっちにした。

"No Strings Attached"を見てから、地下鉄でWilliamsburgに着いたのが7:40くらい。小屋の手前の中古盤屋で小1時間ほど彷徨ってしまい(4枚買ってしまった。あまりにマニアックなのでかかない)、中に入ったのは8:40くらい。

チケットは当日で$12、前売りで$10。
まだ$12でも、これだけのものが見れる。 ほんとさあ、チケットの値段を$100とか$200にしてもいけるモデルを作って広めたやつ、それで儲けて喜んでいるやつら全員にJames Murphyじゃないけど「おまえなんかだいっきらいだ、この寄生虫野郎!」って言ってやりたいよ。

ぜんぶで5バンド出るうちの最初のをのがしてしまい、2番手のLemuriaから。
先は長いし、最初は座ってればいいや、と床にずるずる転がっていたのだが、とてもそんなかんじではなくて、ちょっとびっくりして立ち上がる。

女の子ギターにベースとドラムスのトリオで、音が固くて、強い。
ほんとにふつうのかっこで、レスポールをがしゃがしゃ鳴らしつつ懸命に歌っているだけなのに、なんでこんなによいのか、よくわからん。
今は亡きRainer Mariaをちょっと思いだす。 ああいう、素気ないけど、ただひたすら固く、まっすぐにあろうとしたギタートリオのよさ。

Don Giovanni Recordsの方針がそうなんだかしらんが、この日のバンドは女の子がほとんどフロントだった。 女の子バンド、はいなくて、野郎との混成のなかで、女の子パワーを見せつける、みたいな。

次のShellshagもびっくりでー。
ギター(♂)と太鼓(♀)のデュオで、ふたりは実際にパートナーらしいのだが、ステージ中央で向かいあって睨みあってばりばりどかどか。 太鼓はスネアとタムとフロアタムのみっつだけで、これを足をふんばり暴れ太鼓でひっぱたきまくり、ギターは稲妻系のがりがりガレージでヴォーカルは交互に。

そんなにジャンクではなくて、StoogesとかRamonsの香りがして、つまりなんかひとなつこくて、太鼓の手数と勢いはキ―ス・ムーンのそれだし。 White Stripesがいなくなっても、彼らがいるのであればだいじょうぶ。
Liz Phairの"Fuck and Run"のカバーとかもはまってていかった。

彼女がギターかきならして、彼がみっつの太鼓を上に上に積み上げてタワーをつくってから、ふたりで抱き合って床に転がってエンド。 がんばれ、めおと鷹。

次のLaura Stevenson & The Cansは、テレキャスター抱えて歌うLauraさんにG, B, D, アコーディオン兼トランペット。 この編成で、静かな歌いだしから入るのでアコースティックかと思っていると、がん、がん、がーんと3段階くらいの波が来て突然スプリングスティーンになったりする。

それにしても彼女の声。 この、いきなり天に抜けるもんだからびっくりするかんじは、The SundaysのHarriet Wheeler以来、だったかもしれない。 本人は「なんかびびるわここ」、とかわいらしく緊張しているようだったし、実際そうだったのだろうが、音の伸びがすばらしくひたすら盛りあがっていくので野郎どもがみんな萌えて吠えまくっていた。

この晩のバンドのなかではいちばんメジャーに行ける要素をもった連中かも。 それがどうした、だけど。 
彼女、帰りに物販のとこにいたのだが、ほんとにきらきらした瞳のお嬢さんでした。 将来でぶになりそうだけど。

そして、大トリのScreaming Females。出てきたのは11持過ぎだったか。

いやはや。 ROふうにいうなら(赤面)、ロックの未来は(うううぅはずかし)、ここにあるのであって、まちがってもStrokesだのArcade商店街なんかにはないのである。

子供体型で、いつも学芸会用のワンピースみたいの着てて、でも顔はときどきおばさんみたいにすごむので怖い、けど(ごく)たまに笑うとかわいい。 とかそういうことではなくて、このちびっこのギターはすごい。

ませたガキが駅名覚えるみたいにギターをマスターして技を見せびらかしているのとはちがうし、ストラト1本だからジミヘン、というわけでもない。 この娘の力強いカッティングと自在かつラフなフレージングははっきりとグランジ以降のそれで、J.Mascisあたりの影響をみることもできるのだが、彼よか相当うまいよ。

しかもあれだけがしゃがしゃぴろぴろやりながらも、しっかりと歌って吠える。女性にありがちの絶叫きんきん系ではなく、落ちついてどすのきいた、初期のPatti Smithみたいながなりっぷり。

そしてまた、ドラムスとベースもすんごくよいのよ。 Experienceがそうであったように、Nirvanaがそうであったように。 固く、しかしボールドで、どれだけギターのナイフが刺さってきても飛んできても平気で受け止められる器のでっかさ。

フロアはとてつもないモッシュとダイブの嵐で、あそこまでひどいのは90年代初以来だったかも。
まあ、やってなされ。

帰りに出てたバンドのアナログ何枚か買った。 
でもどの連中も、ぜったいライブだとおもった。





日曜の晩、アストリアから帰って、途中からグラミーみたけど、ひどかったねえ。
こんなのどうせ業界による業界のためのイベントなのだし、レコード大賞がひどくて見ていらんないのとおんなじだし、嫌なら見なきゃよいのだが、いやーそれにしたって。

Arcade Fireも、もういい。 彼らは例によって無邪気に「これがあたしたちのアートなの!」とか言うのだろうが、カナダ人の無邪気もいいかげんにしろ、だ。 
あれならCirque du Soleilとおなじようにテント建てて興業でもしたほうが儲かるよ。 
ええ、ええ、Cirque du Soleilもじゅうぶん「感動的」だわね。

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