2.24.2011

[film] The Panic in Needle Park (1971)

月曜日はだいとーりょの誕生日で会社はおやすみ。で、朝は雪でまっしろだった。
木の上に積もった雪玉が道路に落ちると石灰みたいに白い線を描いてきれい。 
前の日、寒かったわけだー。

お昼にPrime Meatsにしばしのお別れをしに行って、Mast BrothersのチョコとStumptown Coffeeがまぜまぜされたチョコレートタルトをたべた。 
きょういてき、だった。

で、夕方にFilm Forumでこれをみました。
先週から"Pacino's 70s"ていう一週間特集がかかっていて、Pacinoの70年代の主演作とかをやっている。週末は当然のようにThe God Father Marathonなんかもやっていたのだが、そんな体力ゼロだし。

もう何回やってるんだかしらんが、まぁた再上映される”Taxi Driver”の予告がかかる。
"You talkin' to me?"のところは、もうほんとギャグにしかならないのよね。 
そういえばスコセッシの新作はドキュメンタリーなの。 見たい。

http://www.filmforum.org/films/publictrailer.html

"The Panin in Needle Park"、邦題は『哀しみの街かど』だって。 うーむ。

Needle Parkていうのは、70年代当時、売人とかジャンキーがたむろしていた72nd stとBroadwayの辺りのことを言うのだと。 はじめて知った。 
いまはTrader Joe'sなんかがあってふつうに食料品調達エリア、だよね。

そこで出会ったBobby(Al Pacino)とHelen(Kitty Winn)の薬に溺れてずるずるべったりの日々を描く。  それだけの映画なの。

お互いすごく愛しあっているようにも見えず、ヤクとおなじようにお互いがお互いから抜けられないまま、薬ほしいお金ほしい堅気になりたい健康になりたいでもぜんぶだめでずるずるずる・・・

そのずるずる感が暗めの映像、主人公ふたりの暗い目と同調してよいかんじ、とは言わないがはっきりと70年代初のNYの空気を呼びこんでくる。 やりたくてやっているわけじゃない、でも抜けられないんだようどうしたらいいんだよう、みたいなのを、声高にぎゃあぎゃあ騒ぐのではなく、静かに控えめにむこうから投げてくるかんじ。

それはたぶん、当時のNYの町ぜんたいがそんなふうだったのかも、というふうに見えなくもない。
それはたぶん、NYだけじゃなくて東京でもLondonでもそうだったのかもしれない、光の量を絞って、人物をほぼふたりに絞りこむことで、そんなふうな拡がりがでてきたのかもしれない、とか。

音楽は一切ない。 あの町の騒音、いまもずっと続いているノイズがわんわん鳴っているだけ。

なんかね、時間も場所も全く別の物語ではあるのだが、例えばここに"The Social Network"が描いてみせようとした人の集まりの原型、みたいのを見ることもできるように思ったの。
薬のために走りまわって喧嘩してばかりの人たちとか、ネットのために走りまわって喧嘩してばかりの人たちとか。 その奔走する様を通して、その世界の底にあるもの、底で動いているものを抽出しようとした、みたいな。

しかし、アルパチの演技(ぶちきれ)はこの時点で既にできあがっていたのだなあ。
でも、この映画の彼はなんか小さくて汚れてて、犬みたいでよかった。

あと、注射がだめなひとにはきついのでは、とおもった。
HIV前の時代にはあんなことを平気でやっていたのねえ、って。

ラストの、ふたりが歩いていくところはいいよねえ。
ほんと、二匹の犬みたいなんだけど。

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