2.17.2011

[film] The African Queen (1951)

前の晩からのKatharine Hepburnまつり(続かない)、ということでFilm Forumでやってたやつを見てきました。

60th Anniversary ~ New 35mm Restoration!   だそうです。

当時でいえば超大作、プロデュースがSam Spiegelで監督がJohn Huston, 主演がHumphrey BogartにKatharine Hepburn、アフリカで大々的にロケした冒険活劇で、Bogartはこれでオスカー獲ってるし、アメリカ人だったらみんなが知ってるクラシック。

ポスコロ~グローバリゼーション~ダイバーシティ云々を経てみんなが反省したいま、当時の現地(人)の描写について、いまさらあれこれ言ってもしょうがないことは、みんなわかってるし、素直にふつうにたのしめる時代になった、と言ってよいのかしら。 よいよね。

第一次大戦後のアフリカで宣教師の兄に先立たれてしまった妹が、おんぼろAfrican Queen号に乗って河をくだっていく。 行く手にはワニがいてカバがいてサルがいてゾウがいてキリンがいてライオンがいて、締めにいちばん凶暴なドイツ軍がいる、と。 
実際に急流攻め、豪雨攻め、火攻め、集中砲火攻め、蚊攻め、蛭攻め、あらゆる攻めプレイの挙句に船は沈没してとっつかまって首つり、と。

こんなふうにさんざんな目にあいながらふたりはどんどんきったなく、くさく、よごれまくっていくのだが、まあ自業自得だよねーかわいそうにー、て見ておくのがいいの、かなあ。

はらはらどきどき波乱万丈、最後に感動の波、みたいな大作の貫録はぜんぜんなくて、なんも考えなくても画面が紙芝居みたいにきれいに変わっていくので観光してるみたいだし、ふたりのやりとりも修羅場みたいのはほとんどなく、都会でちょっとがさつな男とてきぱきした女が出会って喧嘩しながら恋におちていくのと同じようなかんじで進行していく。 

この辺のかるいかんじが素敵。 いまの時代には。 たぶん。

テクニカラーで、撮影はJack Cardiffなのだが、今回のRestorationでは、そのモダンな色づかいにびっくりした。 もうちょっとどぎつくて鮮やかな、アフリカの色彩、みたいのがテクニカラーで強調されているのかと思ったが、むしろ逆で、冒頭の密林とか水面のうねりとか、淡いけど瑞々しく撮られていてすばらしい。 とても60歳還暦を迎えたフィルムとはおもえない。 公開当時もこの色だったのかはわかんないけど。

Humphrey Bogartというひとのどこがどうよいのか、わたしはいまだにぜんぜんわかんないのだが、この映画での彼は、髭そる前はShane MacGowanみたいだし、髭そった後はSteve Buscemiみたいだし、そんな悪くなかったかも。 やられてもやられても、あんま堪えてないようで、かわいそうじゃなくて、もうちょっとしばいてやってもよかったんじゃないか、みたいなかんじ。

同様にKatharine Hepburnも撮影中は赤痢にかかったりして大変だったみたいだが、そんなかんじはこれぽっちもなくて、彼女ならどんな苦境にあってもじぶんでさばさばコントロールできるよね、へいきだよね、みたいに思わせてしまうとこが -少なくともこの映画では- よかったかも。  
じょうだんじゃないわよ、て本人は思っていたのかもしれないが。

水浴びした彼女が船尾からひょろんと長い脚をひっかけてあがろうとするシーンがあって、あそこは素敵だった。 ”Holiday”でも「あたしはキリンなの」ていう箇所があったが、ほんとそんなかんじ。

ラストはハッピーエンドなのかもしれないが、ああいうふたりは陸にあがったら1週間ももたないよね、てみんな言ったとおもう。

あああもうぜんぜんじかんがないようー

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。