2.10.2011

[music] Gang of Four -Feb.08

チケットがあまり売れていないようだったし、ひどく寒くなりそうだったので行っておくことにした。

7時開始とあったので7:20くらいに行ったら隣にすんごい列ができてて、後で知ったのだがThe Nationalが小さいほうのスペースでライブやったのだった。 
本体のほうは最初はがらがらで、バンドが出てくるのは8時からと貼ってあったので、小屋の隅にしゃがんで震えて待つ。   会場は老人だらけだった。 ほらね。

前座はカナダの4人組、Hollerado。

彼らのなんともいえない(こぎたない)サイトそのまんまの音なのだが、なんだかよい。 ガレージほど荒れてなくて汚れてなくて、エモみたいにねちっこくなくて、かしゃかしゃしたギター2ピースを絶えず鳴らしつづけてて楽しい。自分たちの音に酔って溺れていないかんじもいかった。
おなじカナダでいうと、Broken Social Sceneからスノッブでやらしいかんじを抜いて元気にしたような。


Gang of Fourは2005年のCoachellaとその後のIrving Plaza以来、かなあ。

ベースとドラムスが若返って果たしてどうなるか、であったがあんま心配いらなかった。
ドラムスは角刈りのいかにもセッション野郎、てかんじだし、ベースはスレンダーなドレッドだし、でも、このバンドのボトムにかんしては、ひたすらタイトで、ほんの少しだけファンキーで、ギターのじゃまをしなければ半機械でもよいくらいだと思うので、スペック的には問題なし。

新曲からはじまってしばらくして"Ether"。まんなかくらいで"Anthrax"。
新譜から結構やっていて、それが実のとこぜんぜんわるくない。

Jon Kingはあいかわらず、狂犬とか不機嫌な猿みたいにうろちょろ吠えまくってて、これはもうしょうがないのだが、とにかくこの日はAndy Gillのかっこよさに痺れる。

"Anthrax"の冒頭のギターソロ(ていうのかな)のとこなんて、顔をしかめることもなく、ギターを振りかざしたりの大げさなアクションもなく、鶏の首をしめるみたいな手つきで、花瓶を落とすみたいにギターをごん、て床に落として殺す。 
まさに殺し屋の手つき。 クール。

そして改めて、なんてギターの音なんでしょう、と。
ギターノイズでも、ノイジーなギター、でもなく、ブルージーでも狂熱のなんとか、でもなく、ギタリストやギタープレイに貼りつきがちな情緒的で熱い形容から遠く離れて、ひたすらわんわんと鳴り続けるエレクトリックギターの音。 弦の震えを電気的な振動に置きかえて増幅した、エレクトリックギターの音というのはそういうもので、それだけなのだ、というのを殺し屋が札束でほっぺたをびしばししばくみたいに(よくわかんないけど)、即物的にたたきつけて、わからせる。 

2005年に最初にライブで聴いたときは、楽しみにしていたほどギターが聴こえてこなくて、少し残念だったのだが、今回のは、もうだんぜんちがった。

ああこれでヴォーカルにほんのちょっとだけでもカリスマのオーラがあれば・・・ と完全にへんなおじさんとして化してたこ踊りをしまくる横の彼をみながら思ったが、もうこのふたりの絆がほどけることはないのね。

1回目のアンコールの最後が”At Home He's A Tourist”で、間奏のギターのはじけかたがはんぱじゃなかった。 脊髄が削られていくみたいに気持ちいかった。
2回目のアンコールは"Return the Gift" ~"Damaged Goods"で、Gang of Fourは絶対 1st! 主義者としてはとりあえず満足して、氷点下のなかぴーぴー泣きながらかえったの。


帰ってから見たLate Showでもライブの1曲目と同じのをやってて、ごくふつうにかっこよいのだった。
でも売れることはないよね。 たぶん。

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