2.05.2011

[film] Ip Man 2: Legend of the Grandmaster (2010)

木曜日、あまりにうまくいかないことが多すぎるので、とりあえず、気をおちつかせるために 映画みました。

上映前の予告で"Jane Eyre"がかかった。 ジェーン役は"Alice"のMia Wasikowska。

"Ip Man2", 日本でも公開が始まっているようですが、こちらでもほぼ同タイミングで公開されている。
英語のタイトルは、“Ip Man 2: Legend of the Grandmaster”。  
マンハッタンでは1館のみ。 客は夜の回で10人くらい。

簡単な"Ip Man"のフラッシュバックの後、英国統治下の香港でIp Manが道場を開くところからはじまって、貧しいながらも弟子ができはじめて、地元のボスからの嫌がらせがあって、英国の悪いやつの嫌がらせもあって、最後は中国武術 vs ボクシングになるのね。

主人公はいつも寡黙で無表情で木の型みたいの相手にべきばき練習してて(その音がいいの)、でも奥さんは美人で、子供がひとりともうじき産まれそうなのがいて -このむっつりやろう - 、そういう人の周りにわざわざいろんなひとが集まってきていろんなことが起こって、最後にぶちん、て切れて立ちあがるのね。

むかーしの映画とか時代劇とか西部劇によくあるこてこての展開でどうなってどうなるかもすぐわかってしまうのだが、いいの。

詠春拳(英語字幕だとWing Chun)のとっくみあいが沢山見れるから、それだけでいい。
しかも武術指導&コレオグラフはサモハンだし。

とくに、ドニー・イェンとサモハンが揺れるテーブルの上で組みあうところは前半の山で、決めのところも含め、みごと、ぱちぱちぱち、としか言いようがなくて、ここだけでもお金はらう価値あるとおもった。

で、地元のボスである傲慢なサモハンにも家族がいて、病気があって、格闘を通じてわかりあえたところがあって、というところをちゃんと描いているので彼が英国人ボクサーにぼこぼこにされるところはきつい。

英国人はもちろん、腹黒くて愚かなかんじに描かれているのだが、もうちょっと英国の暗くいやらしいかんじを出せたかもしれない。 あれじゃ単細胞なヤンキーと区別がつかないかも。

で、前半の中国武術同士のとっくみあいのダンスのように軽やかでかっこいいかんじからすると、クライマックスの試合はどっちにとってもひたすら重く、辛く、痛そうなばかりで、異文化間の衝突って、そういうものなのだな、と見せつつ、でも、あれだけずるされてぼこぼこにされたのに、しっかりと仇はうって、でも最後に彼は人種も立場も違うけどお互いリスペクトすべきだ、って静かにいうの。

いくらなんでもそれはくさいだろ、のぎりぎりのところで、ここはなんとか収まっていたかも。
ノーベル平和賞なみよね。

そしてその試合が終わった後、ラストに、そこから数十年後、中国武術を世界中に解き放つ命を担った李小龍(まだ子供)が登場するのは象徴的だったかも。

サイモン・ヤムがあんな役で出ていたのでへーとおもった。 (なにがあったのか、1のほうもみたい)

Ip Manものは、他に現在ウォン・カーウァイが、トニー・レオンとチャン・ツィイーで撮影中のもよう。 格闘シーンで今回のに勝てるとは思えないので、"Lust, Caution"並みのむっつりエロ路線でいってほしいものだ。

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