2.06.2011

[film] The Big Heat (1953)

金曜日は、ほんとついてなかった。

Anthology Film Archiveの40周年記念イベント(去年もやってなかったか?)で、John Waters先生の紹介つきでDouglas Heyesの”Kitten With A Whip” (1964) (邦題『セクシー・ダイナマイト』!)が上映された。 7:30からの一回きり。

ひょっとしたら予約でいっぱいになっている可能性もあったので、3時くらいに、オフィス間の移動時間を使ってわざわざダウンタウンまで下りて確認しにいった。そしたら7時から窓口で先着順にチケット売り出すからそれまでに来ればだいじょぶだよ、て言われた。

少し安心して、夕方6時少し前に出て、つるつる滑りまくりつつペンギン歩きで6:20頃着いたら50mくらいのありえない行列。でも並ぶしかない。もちろん外に、氷点下で凍りついた雪氷が北極みたいにこびりつく歩道に並ぶわけさ。 帽子も耳当ても手袋もなしでね。(下の写真みたいな)

さすがに7時よか前に窓口は開いたのだったが、自分の手前14人のとこでStand-byになってしまう。唖然。声もでない。 でも待つしかないよね。 開始予定の7:30になってもまだどうなるかわからず、じりじりさせられたあげく、手前3人のとこでアウト、になった。「ごめんねー」だって。 自分も含めた40人くらい愕然。

まあしょうがない。半端じゃない寒さの中1時間以上立ちんぼで待たされて結局入れてもらえなかったことについて、そういう不親切さとかについて、文句いうひとはいうのだろうが、こういう上映館のひとにんなこと言うのは筋ちがいだし、John Watersであの映画のこんなイベントだったらこうなるであろうことをちゃんと予測できなかったじぶんが甘かった、と。

でもその時点ではそんなことを思う余裕はなくて、間接がはずれそうなくらいがたがたに寒くて、体にあったかいもの入れないと死にそうな気がしたので、とにかくどっかに入ってなんか食べる、と。 

すぐ思いついたのはVeselkaのボルシチで、でも7ブロック歩く前に行き倒れる気がしたのでとりあえず目にはいったHoustonのWhole Foods目がけて走ろう、と足をむけてみたものの、うまく体が動かなくてペンギンのきもちがようくわかった。

そういうわけで、這うようにして辿りついたWhole Foodsのお惣菜コーナーであったかい食べものの湯気をあびて、なにかがしゅるしゅる戻っていくかんじがして、キャロットジンジャースープと湯気惣菜のいくつかを体にいれて、ようやく正気に戻る。

で、そんなふうに正気に戻ると、ああばかばかばかばか(4 times)、だから当初の計画通り7:00からのアストリアの"The Match King" (1932)にしておけばよかったんだよ、とか、今から見れるやつなんかないか、とか、うじうじぐしゃぐしゃ考え始めるわけさ。 脳なんてずっと低温で氷結してればいいのに。

でも時間帯と場所をかんがえたらあんましなくて、うううってさんざん悩んで(帰ればいいのに…)、結局Film Forumにした。
いま進行中のFritz Lang特集のオープニングだった"The Big Heat" (1953)を、この1本だけ好評につき単独で上映しているの。 本来の特集のほうは『恐怖省』と『マン・ハント』だったが時間がうまくあわなかったの。

映画がはじまって、最初の拳銃自殺のとこで、あー見たことあったねえこれ、しかも3回目くらいで、2回目のときもおなじとこでおなじこと気付いたねえ、と思ったのだったが、こいつは面白いからいいの。 (いいのか…?)

警察内部の腐敗もので、なにもかも失って暗い目になった主人公(Glenn Ford)が別の狂犬共(Lee Marvin)を追いつめて行くの。

出てくる人たちがみんな強烈に変で頭から離れなくて - 情婦のGloria Grahameもガレージのおばさんも - ずうっとそこにいるかのようなすごい存在感で、そういう人たちの暮らす世界とか空気とかが、犯罪捜査という横からの一撃でがらがらと崩れ、みんな蟻のように必死であたふたする様の描きようがすごい。
その必死なかんじを冷徹に切りとる手口がすごい、というか。

というわけで、散々だったけどこれ見れたからいいや、になったのだった。


土曜日の晩、Saturday Night LiveのホストはDana Carveyで、オープニングでWayne's Worldが復活してた。 先週の"The Social Network"のほんもの登場よか、こっちのがだんぜんいいよね。
 

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