8.31.2018

[film] The Go-Between (1971)

12日、日曜日の夕方、BFIのPinter特集で見ました。

原作はL. P. Hartleyの小説” The Go-Between” (1953)で、これはみんな大好きThe Go-Betweens(ていうバンドがある)の由来でもあって(でもこの辺、昨年出たRobert Fosterのメモワール - ”Grant & I” - には明確に書かれていない)、映画の方は脚本がHarold Pinter、監督がJoseph Losey。71年のカンヌでグランプリを獲っている。 邦題は『恋』だって…

20世紀の初め、裕福なとこの友だちMarcus (Richard Gibson)のNorforkのカントリーハウスで夏休みを過ごすことになった少年Leo (Dominic Guard)が経験するひと夏のいろんなこと。

着いてすぐにMarcusがはしかにかかって動けなくなってしまったのでひとりで遊ぶしかなくなったLeoは、買い物に連れて行ってくれたりした美しくてやさしいMarian (Julie Christie)にぽーっとなったり、敷地の向こうの小屋にいるおっかなそうな農夫Ted Burgess (Alan Bates)にこわごわしたりしていると、絶対誰にも言うなよって言われてふたりの間の手紙の運び屋 – これが”The Go-Between” - を頼まれる。なんかふたりで怪しいことをやっているなあと思いつつも、その秘密のなんかに加担しているというわくわくが彼を懸命に走らせるのだが、Marianには良家との縁談が進んでいることもあってMarianの母のMrs. Maudsley (Margaret Leighton) はこいつらの挙動にかりかりし始めて、それぞれの夏はどうなっていくことやらー。

未知のお屋敷、未知の貴族ぽい人たち、未知の田舎の景色、お屋敷内のぼうっとした暗がりと夏の田園地帯の明るさの対比、その間を走っていくLeoをロングで捕えたショットがすばらしくて、更にそこにMarian(姫)とTed(百姓)の道ならぬ恋と、LeoからMarianへのほんのり甘酸っぱい憧れが被り、バックグラウンドでMrs. MaudsleyとMarianのややどろどろした身内の見栄とか確執とか – とってもPinterぽい - が乗っかってくるあたりがたまんなくて、そこに Michel Legrandの流麗な音楽が絡まるともう夏の田園映画決定版、というかんじにはなる。 絵画だとJohn Singer Sargentあたりが描くような。

ふたりからすればLeoはただの使いっ走りで、Leoもそれをわかっているしぼく何やってんだろ、なのに、結末があんなことになったので彼のGo-Betweenした夏は永遠のものになってしまった気がする。 永遠にその間が埋まることがない何か、を見つけた夏。

白いドレスのJulie Christieは眩しすぎるし、Alan BatesもMargaret Leightonもそこに百年くらい居座っているようなしぶとい風体で頭から離れなくて。 ここにスイカと花火があったらパーフェクトな.. 

だからもう夏は終わったんだって。

Buster Keaton Triple-Bill

12日、日曜の昼、”The Go-Between”の前にBFIで見ました。

BFIでは月に一回くらいサイレントの上映会をやっていて、この日は家族向けのBuster Keaton特集で、Keatonのは何を見たっておもしろいから見る。ヤング・プログラマーのKeaton Leigh氏によるイントロがある、というので待っていると出てきたのは小学生くらいのガキで、この子がKeatonくんで、彼がいうには、ぼくはDiane KeatonもMichael Keatonもちっともクールと思えなかったのである日、親になんでこんな名前にしたのさ? と聞いたらこのKeatonから取ったというので(すげえ親だな)、Keatonの映画を見ていたらおもしろくてはまっちゃったんだ、って。

なのでこの日上映される短編3本 - “The Electric House” (1922), “The Balloonatic” (1923), “Cops” (1922) も彼が自分でおもしろいと思ったのを選んだ、と。 そこから先はBFIでよく見る太ったスタッフのおじさんとの受け答えで、サイレントって音がないんだけど退屈じゃない? (答)ぜんぜん、いろいろ想像できるから楽しいよ - とか、色もないし3Dでもないけど平気? (答)白黒ってクールじゃん - とか、伴奏するピアノのおじさんに音は即興でつけるの? 事前に練習するの? って聞いたり - (答)ピアノのおじさん - 即興だよ、実は今日のやつも2本は見たことないんだ、って(...えええ)。

そうやって始まった上映会はパパママに連れられた子供たちにも大受けで、なんかいいなー、って思った。  Keatonの身のこなし技術は子供の教育にはぜったい必要よね、とか。

10月のLondon Film Festivalのプログラムが発表になった。この日程は...

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