8.28.2018

[music] Rip It Up: The Story of Scottish Pop

26日、日曜日の午後、National Museums Scotlandで見た展示。
こいつがあるので夏はEdinburghに行かねば、というのがあったのと、一度は名高いEdinburgh International Festivalに行ってみたいな、ていうのと、夏の終わりの3連休が重なって、ここしかないかんじになったので、1泊でEdinburghに行ってみた。
行きは電車で帰りは飛行機。

わかってはいたけれど、自分はScottish Popってぜんぜんわかっていなかったよね、ていうのと/ていうか、そもそもScottishがどこからどこまでで、だからそれがどう、ていう聴き方をしてこなかったよね、ということが再確認された。
それがよかったのか悪かったのかはわからないけど、反省してどうなるものでもないし、これからもこれScottishだから、というカテゴリーで聴くわけではないと思うのだが、それでいいんだよね、ということもだいたい認識した。

“Rip It Up”というのはOrange Juiceの2ndの同名タイトル曲で、この曲から引用したSimon Reynoldsの総括本 - ”Rip it Up and Start Again: Postpunk 1978-1984” (2005)のタイトルでもあるのだが、2ndがリリースされた当時の失望と、さらに暫くして出た日本盤のどうしようもないタイトルへの失望と、その他当時のいろいろが思い出されたりするので個人的にはあんま嬉しくないの。

それでもScottish Popのひとつの典型としてOrange Juiceがこんなメジャーなかたちで取りあげられたのは嬉しいので、自分にとっての関わりを少しだけ書いておくと、最初に彼らを知ったのは81年に徳間ジャパンが纏めてリリースしたRough Tradeの盤のなかのオムニバス”Clear Cut”で、当時その辺の音(と情報)に飢えていたので出てすぐに買って、これ - ”Simply Thrilled Honey” - は渋谷陽一のサウンドストリートでもオンエアされて(あと、大貫憲章の全英Top20で”Blue Boy”がかかった記憶があるのだがやや混濁してるかも)、やがて7inchも買って、そこからPostcard周辺も掘るようになって、暫くして出てきたイルカさんが飛んでいる1stの音の厚さ(当時としては)にびっくりして、でも聴きこんで、その後の2nd以降はちょっと違っちゃったかなーと思いつつ聴いてた。当時はまだネオアコなんてカテゴリーもなかったし、少し後に出てきたAztec Cameraはこれもちょっと違うカテゴリーだったし。米国のThe dB’s とかThe Feeliesとかとも並べて聴いていた。 という辺りが当時聴いていた振り返れば割と青春ぽく見える音たちのおもひで。
(しょうもなくダークなほうの、もあるよ)

会場内はPopの黎明期と大雑把な紹介 - Lonnie DoneganとかAlex Harveyから始まって、New Waveがあって、それがGlobalになって、今の若手のいろんなのに繋がる、と。

各コーナーでビデオが流れていて、クリップと関係者の証言がいろいろ。 New WaveのところではRichard JobsonやMalcolm Ross がお話ししている。 The Rezillos, The Skids, The Pastels, Altered Images, Orange Juice, The Associates, Strawberry Switchbladeなどなど。 The VaselinesとかTeenage Fanclub, BMX Banditsとかあの辺はやっぱし団子にされている。
The Jesus and Mary ChainもScottishなのかあ、とか。

きゅんとした展示物はClare Groganさんが落書きをいっぱいしている”Gregory's Girl” (1980)の台本とか。

その次がGlobal化の時代、ということでBay City RollersからNazarethとかEurythmicsとかTexasとか。
ふうん、こんなのもねえ、というのがわかって感心するのだがなんでこれが? ていうのは結構くる。

若い世代になるともうなんでも入れてないか、くらいうじゃうじゃいる。Garbage (Shirley Manson)とかFranz FerdinandとかTravisとかBlue NileとかArab StrapとかBelle & Sebastianとか、それくらいまででいっぱいいっぱいだと思うのだが最近のはわからなさすぎ。多過ぎだわ、って。 好き勝手に聴けるコーナーがあったので、いようと思えばいちにちいられる。

終わりのほうでは、でっかい3面スクリーンで最近のフェス映像からScottish関係のをピックアップしてずっと流しているので暫く座っていたのだが、年配の人たちはみーんな”Don't You (Forget About Me)” で、どーんどーんどーんどーん♪ て歌って出ていくのね。

でも、だから、やっぱりScottishだいすき! みたいにならなかったのはよかったかも。
というかあまりにてんでばらばらで大味すぎで、これでみんな好きになるのだったら世話ないかも。
あーでも、久々にあれも聴きたいこれも聴きたいずっと聴いてないわ、がごろごろ出てきて困った。
定義できるわけでもないけどあえてするなら、全体としてはがりがりガサツで引きつっているけどどこか暖かくてヘンテコで憎めない - あの独特な訛りとおなじようなものかしらん。

9月27日にはトークイベントでClare GroganとRichard Jobsonがでるのかあ…
9月29日にはRecord Fairがあるのかあ..

売店ではカタログと、悩みに悩んでもういいかげんにしなさい、って自分で自分をぶん殴りつつ我慢できなくなってPostcardの猫シャツ買った。遠隔で巻き添えをつくろうとしたけど失敗した。もうこれを最後に猫のシャツとか買わないから。 たぶん。

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