8.01.2018

[film] The Last Days of Disco (1998)

6月20日、金曜日の晩、SOHOのCurzonで見ました。あまり見れなくなった割と最近の作品を35mmで上映する企画。公開から20周年記念(ひー)でもあり、上映後にWhit Stillmanのトーク付き。

80年代初のNYで、大学を出て出版社で働き始めたふたり - Charlotte (Kate Beckinsale)とAlice (Chloë Sevigny) - の仕事からアパート暮らし(railroad apartment!)から今後のキャリアから男友達いろいろから、それらをなんとかする/できるかもしれないソーシャルな場としてあったDiscoを中心とした日々(The Last Days)を描く。

お日さまが出ているときの生活、沈んでからの生活、昼の街に夜の街、それらを渡っていくのは親友というほど親しくもなく嗜好も性格も違っていて当然のふたりの会話で、それに引き寄せられるようにいろんな種類の男共が虫のように寄ってきてはぐるぐる回ってどこかに消えて、そんな男共はたいてい会話も見かけもぱっとしないかろくなもんじゃなくて、彼女たちは女王だからどうとでもできて、それらがDiscoミュージックと共にスイングしながら右から左に流れていくさまを見るのはかっこよくて痛快でたまんない。

もちろん現実にはうまくいかないことの方が多いに決まっているのだが、そんなわかりきったことを描く必要なんてもちろんなくて、このふたりの会話とステップの軌道を追っているだけでおっそろしく洒落た(Shameやずっこけも含めた)都会のお話しができあがってしまう驚異。

とにかくKate BeckinsaleとChloë Sevignyの組合せがすばらしすぎておもしろすぎてずっと見ていて飽きない。

ノンストップで皿回しの号令のもと上げ下げされるばかりのクラブミュージックと共に「フロア」とか”BPM”とかマシーンに近いところでダンスが語られるようになったところで、場としてのDiscoは消滅して、ここにあったような夜の秘めやかでソーシャルなあれこれは中小機能別に再編されてサブカルとかオタクとかネットとかのほうにシフトした、と。

それをセックス(肉)と街という別の角度から(同じ80年代初のマインドでもって)取り戻そう(お喋りを再開しよう)としたのがSATCだったのではないかしら。

80年代初、東新宿のほうのDiscoとかには行ってて、確かに変なひとはいっぱいいたけど、ソーシャルとは程遠かったねえ。でっかい音で音楽聴いてご飯食べられるとこ、でしかなかった。

あと、35mmフィルムの質感、この映画ではたまんなかった。

Loew’s Jersey theatreで撮影していたのか。(Bright Eyesのライブで行ったことある)

Lutèceでランチを、っていう台詞がでてきた。LutèceってNYに着て最初に行ったフレンチレストランで、その時もランチだったけど、めちゃくちゃ緊張したのと、サーモンがとんでもなくすばらしくて、これまで食べていたフレンチはなんだったんだ、になったことを思いだした。

上映後の監督とのQ&Aはついこないだ掲載された↓以外の情報はあまりなかったが、Éric RohmerやWoody Allenと比較されることについて、よく言われるけど、でもちゃんと見て貰えばわかると思うけど、ぜんぜん違うからさ、とやや疲れ気味に語っていたのが印象的だった。

https://www.theguardian.com/film/2018/jul/10/how-we-made-the-last-days-of-disco-whit-stillman-kate-beckinsale

Love & Friendship (2016)

21日、土曜日の午後、前の晩とおなじとこで見ました。今度のは監督Whit Stillmanに加えてSir James Martin役のTom BennettとCharles Vernon役のJustin Edwardsがトークに参加、その後で原作本のサイン会もあった(けど、これは出ず)。

18世紀末の英国で、夫に先立たれたLady Susan Vernon (Kate Beckinsale)が一人娘のFredericaのためと自分のためにお金持ちの男を探してじたばた騒いで周囲から顰蹙を買いまくる、けど最終的にはどうにかなってしまうおめでたく幸せなお話しで。Jane Austenが書簡形式で綴った”Lady Susan” (1794)をWhit Stillman自身が緩めに翻案している。

見るのは2度目だったのだが、前の晩から続いたKate Beckinsale - Chloë Sevigny組の相性のすばらしさと、アメリカから眺めた英国の変てこさが(いま住んでいることで)よくわかる場面もあって、改めておもしろいところがいろいろ、だった。

上映後のトークではTom Bennettさんの演じるSir James Martinの英国臭がどれだけ効いたのか、とか十戒ならぬ十二戒のエピソードが生まれた背景事情とか、なかなか。

監督からは改めてKate Beckinsaleがいかにすばらしいかっていうのと、冒頭で登場人物の背景を字幕で説明するやり方が生んだ効果とかの話が。

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