8.25.2018

[film] Grand Hotel (1932)

感想を書いてないやつが夏休みの宿題なみに溜まってしまったのでさっさか書いていかないと。

8月から10月までで始まった特集 - “Fierce: The Untameable Joan Crawford” - がなかなかすごくて、ここまでで6本くらい見てきたけど、どれもぜんぜん外れない。 Powerhouse、というしかない。
この時代の女優としてはこれまでBarbara Stanwyck派だったのだが、いまの時代に必要とされているのはまさにJoan Crawfordなのではないか、と言う気がしてくる。

特集の予告が見れる↓
https://whatson.bfi.org.uk/Online/default.asp?BOparam::WScontent::loadArticle::permalink=joancrawford&BOparam::WScontent::loadArticle::context_id=

4日、土曜日の夕方に見ました。 Sold-Outしてた。
ベルリンのGrand Hotelが舞台で、そこで働くひとも含めていろんな人々の事情や人生がロビーにいるだけでグランドに交錯して展開していく冒頭から、そこに滞在しているいろんな人たちのドラマを繋いでいく。 ラストを除けばカメラがホテルの外に出ていくことはない。  ホテル=世界。しかもグランドなやつ。

もうバレエはやめたいと言うバレリーナのGrusinskaya (Greta Garbo)がいて、堂々としているけど得体のしれないBaron (John Barrymore)がいて、病気で先が長くないのでやけくそ半分残りを贅沢して過ごしたい会計士Kringelein (Lionel Barrymore)がいて、彼のかつての雇い主で仕事の交渉で頭がいっぱいのPreysing (Wallace Beery)がいて、彼に雇われたタイピストのFlaemmchen (Joan Crawford)がいて、GrusinskayaはBaronにぽーっとなって、ある人はお金を必要としてて、ある人は愛を必要としてて、ある人は死に場所を探してて… ていう具合にみんなそれぞれやりたいこと、やらねばならぬことがあって、ホテルは仮の住まいで通過点であることはわかっていて、でもこの場所このタイミングでなんとかしないと、ていう瀬戸際にあるから劇的なことも起こる。 でもやっぱし動いていく列車とおなじでずっとそこに一緒に留まることはできなくて、結局どうするかはそれぞれの —

という刹那から生まれるいろんなドラマをこまこま切り替えながら追っていく - 所謂 "Grand Hotel theme”を生んだ作品でもあるわけだが、これが可能となるのはおもしろい脚本に、なによりも俳優ひとりひとりの力がないと無理で、その点これ - GarboにBarrymore兄弟 - はとんでもなかったかも。 たった一日か二日のお話に彼らの生を(あっけなく消えてしまうのも含めて)燃えあがらせて焼き付けて、その上で"Grand Hotel. Always the same. People come. People go. Nothing ever happens." て言い切ってしまう。そしてそれを見るひとはこの地上の、自分にとってのGrand Hotelとは何なのか、どこにあるのか、を考えることになるのだと思う。

Greta GarboとJoan Crawfordが同じ画面内にいる瞬間はなくて、ドレッシングルームも別だったので実際の交流はあんまなかったようなのだが、そういったところも含めて、Grand Hotelなんだなあ、と。

終わったら老人たちからは大拍手だった。 拍手できるような老人になりたいな。

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