2.28.2019

[log] Barcelonaいろいろ

24日の日曜日午前に入って26の晩に戻るというバルセロナ行きをやった。バルセロナ初めて。いちおう仕事。

初めてなのでふつうの、最低限の観光くらいはしたいな、ということでざーっと回った備忘。前々日くらいに風邪ひいて頭痛と熱冷ましでくらくらで、陽射しが強くて気温も20度くらいあってくらくらで、後半はなんかの花粉が飛んでいるのか涙で視界がボヤけて歪んでどうしようもなかった。けどまじで素敵なとこだった。 以下、ざーっと見て回ったやつらを。見た順で。

La Sagrada Família

タワーの上に行くチケットは取れず、時間指定のMuseumは間に合わなくて見れず、16時指定でお堂に入れただけ。でっかすぎてわかんないわ、でいいのか。でっかすぎ、というのは例えば『失われた時を求めて』のコンブレーの尖塔みたいに記憶と結びつけることが難しいよね、ってこと。 であるから「宇宙」なのかもしれないけど、宇宙でひとは生きられない。宇宙を造ったひとがえらいのはわかるけど。

Palau Güell

こっちのガウディの方がおもしろかったかも。インテリアとエクステリアをごっちゃにしてぶちこんでいて、屋上に出るとそれらが空に向かって放たれるイメージ。屋上はこないだ見た”The Passenger”でJack NicholsonとMaria Schneiderが出会っていたとこ(たしか)で、そんなに見晴らしがいいわけでもないのだが、そこがまたよいの。 暇そうなカモメがいっぱいいた。

イベント会場の近くのCaixaForum Barcelonaていうとこでいくつか展示をやっていた。
ここの横にはL'Academia del cinema catalàと書かれた壁があって、その下にあるスペイン語を訳すと“In memory of the first sound studios in Spain”って。 昔リンカーンセンターでカタルーニャ映画特集があって、聞いたことない作品ばかりだったけどどれもおもしろかったのを思いだした。

会場内はふつうのギャラリースペースのサイズの部屋がいくつかあって、それぞれでぜんぜん別の展示をやっている。 みっつぜんぶ見ても€5。安い。

Poéticas de la emoción

「感情の詩学(?)」 - ものすごく獏としたなんでもあり(そう)なテーマでコンテンポラリー系の作品を集めていて、知っているとこだとPipilotti Rist とかFrancesca Woodmanとか。やや女性に寄っているように見えたのは気のせい?

Max Beckmann. Leipzig, 1884 - Nueva York, 1950

いつもNYのNeue Galerieで会っているひとがBarcelonaにいるとちょっと変なかんじ。 初期の形や色に対する工夫や配慮が後半になるにつれて粗く野太くなって、顔の彫りも濃く深くなって凄味は増していくのだが、どちらかというと初期の柔らかめのをもう少し見たかったかも。

Velázquez y el Siglo de Oro

英語題は” Velázquez and the Golden Age”で、黄金時代としか言いようのないぎんぎんの、あの強い目でこっちに迫ってくる絵画たちがいっぱいで(Velázquezは4~5点)、こんなのも含めて€5ってありえないわ。メインビジュアルの『お馬に乗ったBaltasar Carlos王子』(1635)がすてき。子供の日の掛け軸に最適。

説明表示はだいたいスペイン語とカタルーニャ語の両方で、英語は別の紙のを見ろ、なのね。

建物関係だとMontaner によるPalau de la Música Catalana - カタルーニャ音楽堂も見たくて、でも見学ツアーで見るのはつまんないよね音が出てるところにいたいよね、と思っていたら25日の晩にピアノのValentina Lisitsaさんのコンサートがあったのでチケットを取った。 建物はお菓子の家か、みたいな どこからどうやって組んで建てていったのか謎の構造でとっても落ち着く - かんじとしては自由学園 明日館みたいな。ライブは最初のBeethovenが軽く、弱いといっていいくらいのタッチだったのでやや心配になったが、次の Glassでふわりと舞いあがり、休憩を挟んだ Mussorgsky - 「展覧会の絵」で地表にがーん、と叩き付けるかんじになってよかった。

26日の飛行機に乗る手前にMuseu Nacional d'Art de Catalunya – カタルーニャ美術館へ。
ほんとは24日の午後に行こうとしたのだが山道の途中で迷って時間切れになったやつのリベンジ。

LIBERXINA, Pop and New Artistic Behaviour, 1966-1971

66年から71年のスペインの現代芸術の流れ – どういう切り口でこの5年間にしたのかわからないし、この土地のアーティストばかりなので知らないことだらけなのだが、ヒッピーでサイケで自由、連帯、みたいなかんじは世界共通なのかも。なぜThe Fugsのレコードジャケットが貼ってあったのかは謎。

Bermejo. The 15th century rebel genius

一番見たかった展示。15世紀の奇想画家 - Bartolomé Bermejo (1440–1501) の特集企画。スペインにフレミッシュ絵画の技法を持ちこんだ人だが、描かれた人々の表情も姿態も見れば見るほどおかしいふうに変容していく。 今にも吹き出し付きで喋りだしたり変てこな踊りを始めたり空にびょーんて飛んでいったりしそうなかんじで、つまり生きているみたいなの(但し、変態とか妖怪として)。
時間があったらずっと見ていたかったわ、べるめほ。

Renaissance and Baroque

これ企画展示かなあ、それにしてはなんか豪勢だねえ、と思っていたら同美術館のルネサンスとバロックのコーナーをリニューアルしたものだった。ルネサンスとバロック、orではなくand条件で結んでいてスコープは相当にでっかい気がするが、どっから切り出してきたのかフレスコ画までじゅうぶんでっかくて、順番に見ていくと神とか天国に向かっているかのように高揚して羽がくっついている感じになる不思議。 とにかく時間がないのでざーっと走り抜けたがそれでも説得力喚起力じゅうぶん。あんなのが常設であるのだったら毎日通ってもいい。
Rubensのすごくよいのと、こないだDulwich Picture Galleryで見たJusepe de Riberaのがあった。

上のフロアの常設展示、モダンのところを走り抜けたがこちらもすごかった。FortunyもPicassoもいいのがわんさかあるし、痺れたのがHermen Anglada Camarasaの”Woman from Granada” (1914)とか。 スペインおそるべし。また来なきゃ。

お食事関係は、折角だからカタルーニャ料理を食べたいな、ということで、Agut(昼)、Ca L'Estevet(夜)、Cañete(昼)といったお店をひとり予約していただいた。どこもアンチョビが奥深く、お魚もお肉もすごくてお腹ぱんぱんになった。 とにかくおそるべし。

あと、乾物屋のCasa Gispertていうとこであれもこれも試食させられて買うことになって(←カモ)、結局荷物をチェックインすることになった。

帰りはラウンジでも飛行機でもかんぜんに白目むいて死んでて、着陸態勢に入ったところで耳の奥がものすごい音でばりばり鳴って、右のほうが聞こえなくなった。 まだ聞こえない。このまま聞こえなかったらちょっと困るねえ。

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