2.22.2019

[film] Bergman: A Year in a Life (2018)

5日、火曜日の晩、BFIで見ました。原題は“Bergman - ett år, ett liv”。

Jane Magnussonによるドキュメンタリー - “Trespassing Bergman“ (2013) – 邦題『グッバイ!ベルイマン』の続編、というか同様のテーマを扱っていて、昨年世界中で開催されたベルイマンの生誕100周年のあれこれに合わせて制作されたもの。
スウェーデンではこれの4時間版が4回に渡ってTV放映されたのだそう。

世界中の大監督たちが揃ってベルイマンすごい!だいすき!ばっかり言っていた(気がした)前作よりもう少しベルイマン自身と彼の映画にフォーカスして、彼のキャリア全体を俯瞰していくのだが、そのなかでも1957年 – 後に代表作として認知される“The Seventh Seal“と“Wild Strawberries“を作り、並行して1本のTV作品、4本の演劇作品に関わり、彼はこのとき38歳で3人の女性との間に6人の子供をもうけていて、始終胃痛に悩まされていた(そりゃそうでしょうよ)彼は、この年にいったい何を見出したのか。

登場するのは彼の現場周辺にいた人々が殆どなのだが、有名なところだとLiv Ullmann, Elliott Gould, Barbra Streisand, Lars von Trier(前のにも出てたよね)、などなど。彼のすごいとこばかりあげて讃えていくのではなく、脱税疑惑で国を離れなければいけなかったことなど、ネガティブなとこも淡々と出している。

57年に彼が見つけたのはこれこれこういうのだった、とかこの年から彼がこんなふうに変わったとか、作品論・方法論の双方から明確ななにかが提示されるわけでは勿論なく、なんとなくこんなふうにすごいペースで仕事をするコツとか、この後に延々追っていくことになる知りようのない死とか神とか悪魔の存在や所業を描きだす =  画面上に映し出す - やり口を見つけたとか、そういうことではないのかしら。

57年以前にだって、“Summer with Monika“ (1953)とか “A Lesson in Love” (1954) とか “Smiles of a Summer Night” (1955)といったすばらしい作品は作っているのだし、これらと比べて“The Seventh Seal“ - 『第七の封印』がそんな突出してすごいとは思えなかった(あくまで個人の感想です)し。

たぶん、その手法って映画監督として映画表現を探究していく中で出てきた、というより演出家として演劇のプロダクションに関わるなかで出てきたのではないか、って、“All About Eve“の舞台を前日に見たばかりだったせいもあって、ぼんやり思ってみたりもする。

ただこの年の『第七の封印』でベルイマンは「世界の」ベルイマンになったこと、所謂「画面に釘づけ」にしてしまうなんかの秘伝のようなものを見つけたぽいことは確かなようだし、どれ見てもそれなりにおもしろいので見たほうがいい(← これはまちがいなく確か)。 けど、『第七の封印』だけ見て、ああいうの苦手でさあ..  って(..いそう)やめないで、時代をまたいで最低5本くらいは見てみてほしい。

これは同じ日 - 2007年7月30日に亡くなったアントニオーニについても同じで、彼の『欲望』だけ見て、あーっていうだけで止めちゃうのはほんとうに勿体ないから。

彼らの映画って(括って総括してはいけないことは勿論だが敢えて)、愛に向かいあう人間、死に向かいあう人間、神に向かいあう人間、それらの背景に立ち現れてくる風景や建物や歴史との交接を20世紀の終わり半分の間、ヨーロッパの北と南で真摯に考え続けた結果だと思うので、時間があれば見たほうがよいし、それで返ってくるものは必ずあると思う。よ。

ま、とにかく今週は、6月のBikini Killのチケットが取れたのでそれでよしとしたい。

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