2.22.2019

[film] The Passenger (1975)

16日の土曜日のごご、BFIのMichelangelo Antonioni特集で見ました。

今回の特集の目玉の4Kリストア作品で、他のところでもリバイバルされていて、いつでも見れそう、と思っていたら終わっていて泣いたやつが、数日間だけもどってきてくれたので見る。
邦題は『さすらいの二人』..

David Locke (Jack Nicholson)はTVのジャーナリストで植民地支配後のアフリカを追って取材をしているのだが、砂漠で車が動かなくなり、くたくたになってホテルに戻ってくると、隣の部屋の英国人David Robertson(Charles Mulvehill)がベッドに転がって冷たくなっているのを発見する。
ふうむ、ってしばし考えて、死体を自分の部屋に運んで着せ替えして、パスポートの写真を張り替えて、Robertsonになりすまして、ホテルのフロントにあの部屋の男がしんでるよ、って伝えると、結果うまいことに、David Lockeは死んだひと、として処理される。

ロンドンではDavid Lockeの妻が愛人のBBCのプロデューサーと夫の死を受けとめるものの、なんか引っかかって、彼の最期を知る人としてのRobertson (Locke)の行方を追い始める。
アフリカの内戦用の武器の横流しをやっていたRobertsonになりすましたLockeは、彼の遺した手帳とかメモの指示にあった空港のロッカーに行ってみると、そこにはブローカーが待機していてそこにしまってあった書類を受け取って満足して、引き換えに札束と次回の受け渡しのことを告げて去っていく。

こうしてLocke、Robetsonそれぞれの過去のしがらみにつきまとわれ2つのグループから追われて、転々とし始めたところでガウディの建物にいた女学生(Maria Schneider)と出会い、ふたりで車に乗って旅をしていくの - 「あなたは何から逃げようとしているの?」て問われたりしながら。 彼らは結局ぜんぶふっきることができるのか?

これまでのAntonioni作品と比べるとストーリーもキャラクターもわかりやすく、簡単に入っていけるのだが、その内側で問われていることはいつもの通りそんなに簡単ではない。解がない、というよりも解があったとしても、そんなものが通用する世界ではないでしょ、どうすんのよ、って。

内戦状態が続いて、人が蟻のように殺されていくアフリカの砂漠で、どちらがどう死んでもおかしくない状態で残されたひとりの男が、いろんなことから逃げようとIDをすり替えたものの、結果として両方のID属性の一部を引き摺った(押しつけられた)状態でヨーロッパの街中を車で移動していくことになる。たぶん今の冷静な目で見てみれば、仮名も使わずRobertsonで通していたりいろいろ浅はかだなあ、と思うところはあるのだが、見るべきなのはそこではなくて、そこまでして生きようと捕まえる or 逃走するその生への意志(IDなんてしるか)で、Maria SchneiderとJack Nicholsonがオープンカーで走っていくとこがたまんなくよいの。あの爽快さ、すばらしさときたら。

こうしてどこまでも逃げ続けたDavidはやがてアメリカに渡ってJackと名を変えて作家となり、“The Shining“ (1980)であんなことになっちゃうの… 砂漠を生き延びたのに…

Zabriskie Point (1970)

13日の水曜日の晩、BFIのMichelangelo Antonioni特集で見ました。邦題は後で知ったがこれがかの『砂丘』なのね。

冒頭、学生たちが議論していて、誰かと誰かが車で走っていくところまでは憶えているのだが、そこから落ちてて(疲れてたらしい。たぶん)、Pink Floydが流れているねえ、って目を開けたら(最初は自分がどこにいるのかもわからない状態)、突然目の前で「爆発」が始まったので椅子から転げ落ちるくらいびっくりした。 というとこも含めて、とっても新鮮だった。 またちゃんと見なきゃ。

しかし、『赤い砂漠』(1964)でカラーになって環境問題を取りあげ、『欲望』(1966)でイギリスに渡ってイギリス的な「見る」ことを取りあげ、『砂丘』(1970)でアメリカに渡ってアメリカ的な不寛容を取りあげ(なんとなく、ね)、間に中国のドキュメンタリーを挟んで(未見)、"The Passenger" - 『さすらいの二人』(1975)でアフリカとヨーロッパに渡って越境について取りあげる。

これってとても筋が通った“The Passenger“としてのMichelangelo、と言えるのではないかしらん。

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