2.07.2023

[film] 특송 (2022)

1月29日、日曜日の昼間、シネクイントで見ました。
原題を翻訳にかけると、”Courier”とか”Express”とか。英語題は”Special Delivery”、邦題は『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』←ださい。

ウナ(パク・ソダム)は港湾の隅にある小さな(闇)搬送業者「特送」に雇われているドライバーで、依頼ベースでやばいブツとかヒトを高い成功率で目的地まで運びマス、っていうのをやっていて、冒頭のイントロでも依頼人を乗せて剛速球で港まで運ぶやつで、依頼人は車に乗りこむなりオンナじゃねえか!? ってなるのだが、直後に車内に叩きつけられシートベルトしな、ってそのでんぐり返った状態でジェットコースターのライドで攪拌されてへろへろの状態で任務完了、っていうお約束が楽しい。 彼女が戻った先の「特送」の社長のおじさん(キム・ウィソン)と移民のメカニックの青年とのチームもよいかんじだし、彼女のアパートにいる猫のポドンが(名前も含めて)かわいいのでそれだけでー。

野球賭博との関わりがばれてしまった元野球選手のタレントとその連れ子のソウォン(チョン・ヒョンジュン)のところに警察/やくざのギョンピル(ソン・セビョク)率いる一団が現れて父親を脅してぼこぼこにする。父親はこうなることを見越して偽造パスポートを用意して「特送」に密航するポイントまでの移送を頼んでいたのだが、自分が助からないことがわかると、ソウォンにブローカーとして稼いだ300億ウォンが入った貸金庫の鍵を託して彼ひとりでウナの待つ車のところまで走らせる。

泣きながら車に向かって走ってくるガキを見たウナは、子供嫌い(お約束)なので無視しようと思ったがしょうがねえ、って渋々乗っけて、車を取り替えたり(その場にある車を借りてさくさく逃げるところがよいの)ソウォンのお漏らしパンツを取り替えたりしながら束になってかかってくる難局とか敵とかを切り抜けていく。

その反対側で警察の顔ももつギョンピルは、ウナが脱北者であることを知ると、そこに国家情報院の職員ミヨン(ヨム・ヘラン)を入れて情報収集させたり(これが後で..)、ウナに冷酷な凄腕の殺し屋を差し向けてきたり、ふたりの運命やいかにー、になるの。

設定だけ聞くとJason Stathamの”Transporter”のシリーズとか、なめられそうな(でもばりばりの)子供ドライバーが悪い奴らに総攻撃される話だと”Baby Driver” (2017)とか、一匹狼の女性が好きでもない子供を守って戦うはめになる”Gloria” (1980)とか、似たような映画は既に巷にしぬほどあって、でも結局見たいところって、善車と悪車、善人と悪人が四象限マルチでどかすかやりあって、派手な大騒ぎに延焼していくさまで、その点からいうとカタルシスは前半のほうにあって、後半は、え.. まさかほんとに”Gloria”やるの? だったりもして、最後の決着のつけかたはあんなんでいいのかなー? って。

他方で総合点としては、主人公が脱北者で、国境越えが誰にとっても切実な肌感覚としてすぐそこにある突破口だったり、みんなが脛にキズものだったり、それゆえに見逃されたりやられたりのドラマの重ね方がうまく活きてきて一気に見れてしまうのはよかったかも。どこまでもクールなウナの面構えも素敵だし。 唯一、あの殺し屋の消し方があんなんでいいのか(つまんないわ)は、あったけど。

しかし、こういう一匹狼のドライバーのお話って、”Baby Driver”にしても”Fast and Furious”のシリーズにしても、必ず「ファミリー」が壊れるほう(あるいは壊れたそれを建て直すほう)を志向しがちなのはなんなのだろうか。走るひとには家族が必要(or 走るひとの家族は壊れる)、っていうことなのかねえ。そういう意味では、真ん中で逃げ回るふたりが”Parasite” (2019)の寄生する側とされる側にいた彼らだった、っていうのはおもしろいかも。 ほんとは預かったガキが”Home Alone”級のしょうもないやつだった、にしてもよかったのに。

“Fast and Furious”はもう終わっちゃうから無理だろうけど、スピンオフでHanと彼女を絡ませてついでにTransporterも引っ張りだして、アジアの家父長制をぶっ潰せアクション映画とかやってほしいところ。

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