4.16.2021

[film] Gli intoccabili (1969)

4月6日、火曜日の晩、Criterion Channelで見ました。

『死刑台のメロディ』のGiuliano Montaldo監督によるアメリカを舞台にしたイタリア映画。音楽はEnnio Morricone、タイトルをそのまま英語に訳すと”The Untouchables”だが、英語題は”Machine Gun McCain”で、邦題は『明日よさらば』。

昔の日活とか東映みたいな(←適当)B級ギャングドラマなのだが、主演がJohn Cassavetesで、彼のキャリアのなかでいうと”Faces” (1968)と”Husbands” (1970)の間にある主演作品で、裏の細かい時系列はわからないが、この作品でPeter Falkが登場し、やがてBen GazzaraやSeymour Casselがここに加わって艶にまみれた伝説のCassavetes一家が形成されていく、その過程にあるすれっからしちんぴら映画として見るとなかなか捨てがたい。

西海岸をほぼ掌中に収めたギャングのボスAdamo (Peter Falk)が勢いにのってラスベガスのカジノに手を伸ばそうと三下のJack (Pierluigi Aprà)を動かしていたら東海岸の大ボスDon Francesco (Gabriele Ferzetti)がおまえなに調子に乗ってんねん、て釘を差してきて、でもすでに遅しで、AdamoはJackのパパで襲撃のプロ - 12年間服役しているHank “Machine Gun” McCain (John Cassavetes)を刑務所からリリースしてしまったのだった。

出所してきた無口で無表情のHankはバーにいた女性Irene (Britt Ekland)を引っかけて、彼女とふたりで黙々と(なんの相談も指示もない、その黙々っぷりがすごい)爆弾をこさえて、カジノの外のガソリンスタンドとかカジノの中の植え込みとかいろんな場所に淡々と仕掛けていって、時間が来てどかんどかん打ち上げが始まって大騒ぎになると、消防隊員の格好で中に入っていってごっそり戴いてしまう。(”Ocean’s 11”よか豪快でシンプルで好き)

東方のボスはまじか?やんのか? って怒り狂ってAdamo一家の皆殺し作戦を開始してAdamoを含めてばっさばさ殺していって、もうちょっと拷問するとか急襲するとか嫌がらせとか馬の首とか工夫したいろんな見せ方もあるだろうに、あっさり草を刈るみたいにAdamoもJackもやっちゃって、次はHankだ、ってなるのだが、“Machine Gun” McCainだから手強くてそう簡単にはやられない。でも包囲網が狭まっていくと、彼はかつての相棒で一緒に刑務所に入って先に出所していたRosemary (Gena Rowlands)のところを訪ねるの。

このふたりが再会するシーン、べつにごく普通に向かい合って見つめ合ってぼそぼそいうだけなのにほとばしる侠気と色気の重力がとてつもない。ここを見れたのでよいわ、になる/がある映画。そのための台詞も動作もいらない、このふたりがどれだけ特別なふたりだったのかを示す - 他にもいっぱいあるけど、この映画もそこに含まれる一本。 で、ここから”Bonnie and Clyde”でもやるのかしら、と思ったらそっちには行かなくて、次に目を合わせたらもうお別れ、ってはじめからわかっているふたり。

こういう映画でよく使われる「非情」っていうのをドライであっさり、とするとこんなに非情でさばさばしたやつもない、ってくらい、アクションは撃つ - 撃たれる - 倒れるだけ。現場の実情もこんななんだろうな、っていう殺伐感がたっぷり。Machine Gunもそんなにばりばり撃ちまくるわけでもないし、むしろ爆弾しかけるところの所作の方が印象に残るくらい。強いも弱いも、頭いいもわるいもない、やるかやられるかだけで、やられたら終わる、それだけのー。

でもなんであのカジノはやっちゃだめだったのか、そこだけあんまよくわかんなかったかも。


ぜんぜん関係ないけど、深夜の映画チャンネルで”Creation Stories” (2021)ってやってて、Alan McGeeとCreationレーベルのサクセスストーリー(not ドキュメンタリー)で、流れてくる曲とかベタで恥ずかしいし、どうせOASISの自慢話とかだろうし、ってちゃんと見ていなかったのだが、Television Personalitiesの”Part Time Punks”とか(本人たちの演奏ではないけど)が流れてきたのでおおー、ってなった。リピートしているので今度ちゃんと見よう。Richard Jobsonが俳優として出たりしているのね。

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