4.15.2020

[film] Summer Stock (1950)

8日の水曜日の晩、BFI PlayerのMusicalの枠に置いてあったやつを見ました。
彼女のMGMでの最後の作品で、3本目となるGene Kellyとの共演もこれが最後になったテクニカラー・ミュージカル。
英国でのタイトルは“If You Feel Like Singing”、邦題は『サマー・ストック』 - 日本ではこんなのが劇場公開されてないの?

冒頭、”If You Feel Like Singing, Sing”を歌いながらシャワー浴びて着替えてご機嫌のJane (Judy Garland)がいて、彼女の農場に劇団をやっている妹のAbigail (Gloria DeHaven)が現れて、農場の納屋とかをリハーサルと劇団員の寝床として使わせてくれないか、いろいろ手伝うから、っていうのでしぶしぶOKする。 賑やかな劇団の連中と接していくうちにAbigailの婚約者で舞台監督のJoe Ross (Gene Kelly)と歌ったり踊ったりじわじわ惹かれていくのだが、JaneはJaneで4年前から婚約している町のぼんぼんのOrville (Eddie Bracken)がいて..

ストーリーはシンプルでわかりやすくて、豚も牛も鶏もカラフルにいっぱい出てきて動き回って、いいなー、って言いながらJudyとGeneの歌と踊りにうっとりしているだけで終わってしまう。とにかく問答無用なんだからこれでいいの。

この頃のJudyは既に相当調子が悪くてぼろぼろだった、と言われているのだがふたりがめくるめくタップとダンスでくるくるまわっていく“The Portland Fancy”はFancyとしか言いようがないし、Geneが暗い納屋でひとり床をぎいぎい鳴らし、床の新聞紙をかしゃかしゃか擦ったり蹴ったりしながら踊っていくのなんて – ほんとに夜中ひとりでこれやっていたらちょっと怖いけど – この世のものとは思えないとんでもなさだし、ふたりで歌う"You Wonderful You"はWonderfulの挟み撃ちで溶けるし、そしてもちろん、こないだの映画”Judy”でも流れた”Get Happy”が最後にやってくる。

農場でのどかに幸せに暮らしていたところに大勢やってきていろいろひっ掻き回してひとの縁談までぶち壊しておいて”Get Happy”もねえだろ、って思うのだが、”Pack up your troubles and just get happy” ~ “Forget your troubles and just get happy”   天才バカボンのこれでいいのだ、みたいな曲なので、 これでいいのだ、なの (か?)。

それにしても、このふたり - JudyとGene - ってどんな事態でも服でも周りに人がいようがいまいが落ち込んでいようが舞い上がっていようが、突然踊りだしても歌いだしても全く変なかんじがしない(← 自分だけかもだけど)のがすごいな、って改めて。 Fred Astaireだとたまに黄金の舞台が天から降りてくるのが見えたりするけど、彼らはそのまま、歌うこと踊ることが素なの。


もうこういうのばかり見ていたいな、って思いながら、「こういうの」ってどんなのだろう? っていうのは最近よく考える。 感染ホラーみたいなのは絶対むりだし、SFも面倒だし、コメディはモノによる、メロドラマもモノによる、ドキュメンタリーは割と見たいかも、って絞りこんでいって、そこに気分とか天気も加算されて、だんだんわかんなくなってくると、その日のお勧めみたいにメールで落ちてきたのから選んじゃったり。 でもまだ見たいのはいっぱいあるねえ。

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