9.27.2018

[film] Skate Kitchen (2018)

18日、火曜日の晩、CurzonのSOHOで見ました。 Previewで、上映後に監督と映画に登場する4名とのQ&Aつき。

NYの街中でスケートボードをしている女の子たち – べつにプロでもなんでもない – を捕えたドキュメンタリーのようなフィクション。

メガネの、外見はぜんぜんそんなふうに見えないCamille (Rachelle Vinberg)はスケートボードが大好きで、夕暮れ時までずっと遊んでいて転んで怪我して股間から流血したりしているのでシングルマザーの母からはもうやっちゃだめ、と言われていて、でも止められなくて地下鉄でマンハッタンに出ていって(ロングアイランドに住んでいるらしい)、そこでスケートボードをやっている女の子たちと出会って、だんだん打ち解けるようになって、つるんで町中を滑っていくようになる。

ここまでで、炸裂するJunior Seniorの”Move Your Feet”(なつかしー)にのって彼女たちが笑いながら道路を滑って颯爽と抜けていくとこだけで、この映画いいなー! になってしまった。

筋のほうは不愛想で人づきあいの苦手なCamilleの目線で、ノラ猫みたいな女の子たちが集まってスケートして、たまにボーイズと小競り合いしたり、パーティに出かけてもノリについていけなくて出ちゃったり、母親と更に不仲になって家出したり、怪我して滑れなくなった子がむくれたり、その子の彼(Jaden Smith)と少し仲良くなって写真撮られたりしたら絶交されてホームレスになっちゃったり、割とドライなスケッチとして切り取っている。
スケートボードしてて怪我したら痛いのと、友達や親との間のあれこれで痛い思いするのもたいして変わんない、でもやっぱりスケート好きだからさ、ってひとりでも滑りに出ていく。 でもラストはとっても素敵だから。

彼女たちはマンハッタンのいろんなとこで滑っていて、LESはもちろん、Union SquareでもMidtownでもUpper Westでも、スケートボードに乗ってみるとNYの道路はこんなふうに見えるんだなあ、ていうのがわかって(カメラがそういう動きをする)、ほんとそこだけずっと流していてもよいくらいなの。

これまでのスケートボード映画って割と求道的でかっこいいノリのが多かった気がするけど、これはぜんぜんそういうのではないのと、あと、地下鉄で出かけていってさーっと滑って日が暮れたら地下鉄で帰る、公園も歩道も車道もビルの隙間でも、どこでも滑ることができる、そういう街 - NYの映画にもなっていると思う。

監督はあのドキュメンタリー”The Wolfpack” (2015) を撮ったCrystal Moselleさんで、後のQ&Aによると、BrooklynでG line(しぶい)に乗っていた時、スケートボードを抱えてでっかい声で喋っている女の子集団がいて、おもしろそうだったから声かけてコーヒーおごっていろいろ喋ったりしたのが最初、だそうで(たしか”The Wolfpack”の時も同じようなことを言っていたような - 変な子たちを見つけたから … って)、実際に彼女らの中に入って、試しの短編一本 - “That One Day” (2016) - を撮って、そこから拡げてみたのが今作、と。

Q&Aに並んだ女の子たち(Camille役の子はいなかった)のトークも俳優ぽさなんてカケラもない、そこらのガキがそのまま言われたのでくっついて来ました、みたいなノリで、そういえば監督は、女の子たちが部屋に集まったときにするような会話とか挙動をそのまま撮ろうと思ったそうで、それが予告にもある「タンポンしたら死ぬってほんと?」とかそういうやつ。

音楽もできるだけ彼女たちが普段聴いているようなやつを入れるようにしたそうで、だからみんなでPrincess Nokia に手紙書いて「使わせて〜」、とかやったんだって。

運動なんかしなくなって30年いじょう経っているのだが、唯一やってみたいのがスケートボード(とできればサーフィン)だったりするので、なんとなくめらめらしてくるのだった。
(でも今始めたら間違いなく骨折して病院おくり - でも集中して本読めるからいいかも、とか)

彼女たち、BFIの横のスケボー場でも滑っていったのかしら?

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