9.05.2018

[music] St Vincent

4日火曜日の晩、普段小規模クラシックやジャズをやっているCadogan Hallっていうとこで見ました。 先週くらいに突然発表されて、あっというまにSold Outしていて、ライブ前日に恨めしくじーっとのぞいて糸垂らしていたら1枚だけ取れた。
Edinburghで見てから10日ぶりくらい。

“An Intimate Performance”と出ていて、ピアノのThomas Bartlett(Doveman)氏とのDuoであると。
前座はEclair Fifiっていう(よい名前)DJのひとで、アブストラクトにいろいろミックスしてて楽しかった。日本語の歌(だれのだろ?)もあったし、Robert Wyattの”At Last I am Free”なんかが聴こえてきたり。

20:30過ぎ、ステージ上にはグランドピアノとマイクスタンドと飲み物を置いた小さなテーブルがあるだけ。
ステージの奥手からふたりが手をつないで前の方に出てくる。 どちらも質素でシックな黒服で、にこにこ仲良く笑っていて、昔のTVの歌謡ショーみたいなかんじ。

これまでのライブとは違うセット、とあったように電飾ないし派手な衣装ないしデジタルないし。 彼女の歌と彼のピアノだけ、レパートリーも今のツアーのとは順番も含めて結構変えてある。

Edinburghの感想にも書いたけど、この生身の、むき出しの声だよねえ。これがあるからこの上にどんなコスプレしようが被り物しようがエフェクトかけようがさまになるのねえ、と再再再認識した。 テクニカルにものすごく歌がうまいとか声量がすごいとか(いや、じゅうぶんにうまいのよ)思わないけど、声の肌理とか絞りかたとか息の止めかたとか、ソウルフルって形容はこういう場合に使うのではないか、て思ったりもする。

彼女とは何度もセッションしたことあるというThomas Bartlettさんの添いっぷりもすごくて、譜面なんか全く見ずに(というか譜面なし?)時に繊細にたまに大胆に、ピアノに腕つっこんでミュートしたり足で床叩いてリズム取ったり、曲間の喋りではやりたい放題彼女にいじられたり(ほぼSMショー)、リハーサルとかどこでどれくらいしたのよ、というくらい馴染んだふたりなのだった。

彼女はギタリストなのかシンガーなのか両方なのか、ぜんぶよ、って言うのだろうけど、この晩のこれを聴いてしまうと、歌うたいだよな、ってふつうに思ってしまう、それくらいの密度と強度で迫ってくる歌たち。聴いていくにつれてだんだん(こっちが)感極まってきて、終盤の”Young Lover”以降はなにが来ても泣きそうになって困った。

“Happy Birthday, Johnny”って、ほんとによい曲だなあって痺れて、それに続けてJoni Mitchellの”Court and Spark”をやって、ああこの人の歌い方ってJoni Michell入ってるかも、て思って(← 遅い)、続くラストの”Slow Disco”なんて、もう最初からこのバージョンだったとしか思えない。

アンコールは1曲だけ、”New York”で、これまでギター1本のは聴いたことあったけど、ピアノだけで突っ立って、所在なげにふらふらしながら歌うの。”Where you're the only motherfucker in the city - who can handle me” 辺りからみんな一緒に歌って、こんなのもう泣いちゃうしかないし。

I have lost a hero
I have lost a friend
But for you, darling
I'd do it all again              って。

(昨日の、もうYouTubeにあがってるのね)

このふたりのこのセットでツアーしてくれないかしら。 ほんとすさまじくよかったの。
RufusとSufjanとAmandaとこのひとが自分のなかでなんか繋がって、改めてみんなかけがえのない人たちになった。

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