9.11.2018

[music] Luna

6日、木曜日の晩、IshlingtonのO2 Academyていう、たまにいくシネコンが入っているショッピングセンターのなかにあるライブハウスで見ました。 なんとなく新代田Feverみたいなかんじの小屋。

Lunaが英国をツアーをしているのを知ったのは最近で、チケットを取ったのもつい1週間くらい前だった。2005年の2月、Bowery Ballroomで1週間くらい続いた解散ライブは2日くらい通って、それはそれはすばらしいフィナーレで、メンバー全員のサイン入りポスターも買って、ちゃんとカタをつけたつもりだったのになんだよ、なんて子供みたいなことは言わない。戻ってきたなら喜んで何度でも聴いてあげたい。アナログのBoxもこっちまで運んできてるし、Lunaみたいなバンドならなおのこと。

仕事の飲み会を抜けておうちに帰って着替えて(ほんとしんどいのでいいかげんにしたい)、21時少し前に会場に着いたら入口にDean Warehamさんがいた。(頭の中で、わー、程度)

前座のFear of Men – MeltdownのDeath Cabのときに見た - の途中で、Lunaが登場したのは21:30過ぎ。 結構空いていたので余裕で前のほうに行けた。

Deanさんは開口一番、”RIP  - Burt Reynolds” -  うんうん。ほんとにねえ…
メンバーは4人、2005年の時点でBrittaはまだ正式メンバーではなかった気がするが、今はもう堂々としたもので、あとはサイドのギターにはSean Edenがいる。

エレクトリックギター2台のバンドのアンサンブルが持つ無限の可能性について、かつてどこかでLou Reed師が語っていた気がするが、それを自分にとってもっとも理想的なかたちで聴かせてくれるのがこのバンドのそれで、Seanの空気感たっぷりのJazzmasterにランダムに刻みを入れてくるDeanのギターの気持ちよいことったらないの。

DeanもSeanも曲間によく喋って冗談をいっぱい言う。 2005年のBoweryではぜんぜんなかったこういうの、あそこでのあのテンションはやはり解散前のなにかだったのだねえ、と思う。

同様に自分達のオリジナルへの縛りも更に希薄になっている気がした。もともといろんなカバーをやるバンドなのだが、この晩だけでもThe Cureの”Fire in Cairo”をやって、Yesの ”Sweetness”をやって、アンコールではGalaxie 500の ”Flowers”に”Strange”までやる。でもそれらは端から端までLunaのアンサンブルに絡めとられてLunaの音として鳴らしてしまう。そりゃそうだろう、かもしれないけど、このバンドの放つ月明かりの絶妙の淡さ、月の重力の緩さに触れてしまうとそこから動けなくなる猫になるかも。 眠くはならないし醒めもしないのだが。

本編ラストの”Moon Palace” ~ “Indian Summer” -これもBeat Happeningのカバーであるが、自分のなかでは完全にLunaの曲になっている - の流れは今更ながらに黄金で、前にもどこかで書いたかもだけど、仕事でもなんでもほんとうにお手上げになると”Moon Palace”の”But it's nothing at all 〜 No it's nothing at all”が頭の中で再生されて、にゃーにゃーにゃーにゃー♪ をゆっくり繰り返すと少しだけ楽になる。 どっちにいってもどうしようもないような時は特に。この曲がライブで蘇ってくれたことの意義がどれだけでっかいか、それすらも”Nothing at all” にしてしまうような無限の消尽ループにひとを誘う。 それをお月様のなんか、とかいうのは野暮ってもんよね。

とにかくまた聴くことができてとっても嬉しかったの。

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