11.19.2011

[film] Two Weeks with Love (1950)

あまりにいろんなことがぼろぼろと崩れていくので、なんもやるきにならず、火曜日の晩に抜けだしてみました。

Walter Readeの横の展示室で、" Style and Motion: The Art of the Movie Poster (from the Mike Kaplan collection)" ていうのをやってて、それはそれはきれいでうっとりするしかない昔のミュージカルのポスターがいっぱいあって、それの関連イベントで、Jane Powellさんを囲む一夜、というのがある、と。

JanePowellさんのことは、『掠奪された七人の花嫁』 (1954) くらいでしか知らないのだが、こういう昔の映画はどんな知らなくてもなにがなんでも見ておけぜったい損はしないから、という内部ルールがあるので、見にいった。  振付はBusby Berkeleyだし。

上映前にトークがあって、本人登場の前のイントロとしてStanley Donenの"Royal Wedding"(1951)からFred Astaireとのダンスシーンのクリップが流される。 すごーい(それだけで尊敬する)。 
アステアと歌って踊って、彼の帽子をがしがし踏んずけたひとのほんもんに会えるんだー、と。

ご本人は小柄で、とっても元気でチャーミングなおばあちゃんだった。 「84なのよ、やーねー」
基本は聞き手が投げてくる昔話とか思い出話を語っていくだけなのだが、当然のように、内容はあんまわからない(みんなふんふん頷いていたが)。 
それにしても、スターだなあ、って。 なんであんなにきらきらしているのかねえ。
彼女、エリザベステイラーの最初の結婚のときのBridesmaidだったんだって。 すごいねえ。(そればっかし)

上映された映画は、彼女の一番のお気に入りということで、その理由については、「かんたんよ。見ればわかるからよ。エンターテイメントなのよ!」 だって。 あと、家族についてのとってもTenderなおはなしだから、と。

夏休みでCatskill(NYの北のほう)に避暑にいった6人家族の2週間のおはなし。長女のPatti(Janeさん)は、恋に恋をはじめた18歳で、同じく避暑に来ていた謎のキューバのお金持ちにぽーっとなって、浮かんだり沈んだり泣いたり、それに家族は振りまわされて、あれこれ大変なのだが、とにかく歌って踊ってしまえばなんとなく楽しくなるからいい。 いいったらいいの。

Janeさんはすごい美人さんというわけではなくて、Girl-Next-Doorの、でも歌のものすごくうまい女の子で、ちょっとだけDrew Barrimoreさんがふわーんとしたときの顔に似てみえるとこもあった。

ほんとにTenderなアメリカの家族のおはなしで、John Hughesの『すてきな片想い』 (1984)の、あれよかもっと無防備な、砂糖菓子のような家族の原型を見るようでした。 
ああいう家族って、いまもあるのかなあ、むかしはあったのかなあ、とか。

あとは、ぴかぴかのテクニカラーの色彩の美しさについては、至福としかいいようがない。 
この先、どんなデジタルのCGの3Dのすごいのが出てこようとも、美しいのは断然こっちだ、裁判で争ったっていいね、とおもった。 
でも今のシネコンとか映画技術が向かっているのって、こういうのとは全然別の方角なんだよなー。
リアリティって、そんなに重要なもんなのかしら。

コピーできない、互換もない、暗闇のなかでしか現れることのない美しさ、そういうものがある、っていうことをどうやったら若い子たちに伝えていくことができるんだろうねえ。
  

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