11.23.2011

[film] The Life and Death of Colonel Blimp (1943)

MOMAの後、Film Forumに移動してみました。
これもMOMAの修復イベントで話題になっていた1本で、Powell & Pressburger組の弟子であり、本作のRestoration ConsultantでもあったMartin Scorseseさんの挨拶があったり(金曜の晩、即刻売り切れ)、Michael Powellの奥さんであったThelma Schoonmaker Powellの挨拶があったりした。

163分のFull Length versionをFull Color Restoration (日本のDVDはモノクロだったみたいだが)。   邦題は『老兵は死なず』。

映画を紹介する一枚のスチールが、おふろで汗てかてかのたこみたいなはげおやじで、これが「老兵」にあたるRoger Liveseyで、これだけだとぜんぜん気が進まなかったのだが、すんばらしく面白かった。 あっという間の約3時間。

ドイツとの戦闘前夜、興奮して先走ろうとする若年兵にお風呂で老兵が語って聞かせる40年前のお話。 ドイツに乗りこんでいって、ドイツ兵と決闘して、そいつと友達になって、などなど。 が、軽妙なおとぎ話のようなトーンでさくさく進んでいく。

戦争のシリアスさや手柄話を諭すように聞かせる、というよりもこんなことがあってこんなひとに会って、それらをどうやって乗り越えてきたか、みたいなお話を孫に聞かせるかのようにやさしく伝えてくる。

とにかく色彩がすんばらしくよいの。 冒頭のタペストリーの色の一粒一粒から、軍服の鮮やかな赤や青、調度品のひとつひとつ。
そして、いちばんとんでもないのは、たこおやじではなくて、一人3役を演じているDeborah Kerrの驚異的な美しさなの。
彼女の衣装はもちろんだが、肌の肌理といい目のふるふる濡れたかんじといい、彼女の前ではタコは、もうほんとうにただのタコでしかない。

いちおう、ふたつの戦争を乗り越えた敵国間兵士の40年以上に渡る友情物語、というのがメインのテーマなのだろうし、それはそれでぜんぜん悪くないし、やってれば、なのだが、とにかくDeborah Kerrの美しさがすさまじくて、結局彼女の美しさがあったからこそ二人の友情はなんとか保たれたのだろうな、としか思えないのだった。 彼女を見ているだけでうっとり、なのだった。

でも、ロンドンの地下鉄乗っててもああいうきれいな人って見たことないんですけど。

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