9.13.2022

[film] Spider-Man: No Way Home – The More Fun Stuff Version (2022)

9月10日、土曜日の晩、池袋HUMAXシネマズで見ました。東京の上映はここ一館だけで、チケット予約システムがどうしようもないクズで泣きそうだった。

今年の1 月に公開された”Spider-Man: No Way Home”のバージョンに11分の追加映像を加えて全世界で9/9に同時公開された「もっとおもしろいバージョン」。 もっとおもしろいのなら正式公開バージョンに含めればよかったはずなので、見たい人が見ればおもしろくなるバージョン、が正しいかも。 12 inchシングルでExtended Versionが出ているとつい買ってしまっていた世代なので、こういうのには弱い。

もういっこは、最近のMCUとかCGを駆使したヒーローものとか、見た端から忘れていってしまう - こないだ見たThorのなんてもうほぼ思いだせない – それっておもしろいねえ/なんでだろうねえ(たぶん、たんに老いただけだよ)、っていうあたりを改めて確かめてみようか、って。前後関係だの背景だの伏線だの、そういうのの網目に巻かれて「ファン」に受けとめられることを前提として生成・消費されていく「ストーリー」に対する抵抗感もあるのではないか、とか。

あとふつうにSpider-Manのシリーズ、どの代のも割と好きだった。NYの911後を生きる若者たちがイキったりしょんぼりしたりするドラマとして、3人の蜘蛛男たちはどれも素敵だったし、悪役も含めて役者はみんなすばらしいと思うし、今回のだとMay役のMarisa Tomeiは大好きだし。

以下、追加された(と思った)あたりを中心にー。

冒頭、Tobey MaguireとAndrew GarfieldとTom Hollandが素でZoomで会話しているところから。TobeyとTomがAndrewに愛してるよ! とかいう。ひょっとしてこういう楽屋噺みたいのばっかりだったらどうしよ...  と思ったがそれはなかった。

前作からの流れで、パブリックに正体をばらされてしまったPeter Parker (Tom Holland)を見舞う学園内外での苦難とか、取り調べ – MayにもPeterにも – とか、学園内TVのアンカーBetty (Angourie Rice)がその後の学園の様子をレポートしたりとか、Mysterioのせいで大炎上してしまった後のしょっぱい顛末がよりくどく細かく描かれている。

あとは、Happy (Jon Favreau)のアパートに行って悪人たちとMayとPeterがみんな揃っておとなしくエレベーターに乗る – のが監視カメラごしに - ところとか。 Happyの仕事内容からすれば、ここでアラートが飛んで大騒ぎになるべきところなのにー。

でも一番のみどころ – というよりダイアログ - は、最後に自由の女神のとこで戦う前に、3人の蜘蛛男がそういえばさー、みたいに話すところで、前のバージョンよりももっといろんなことを話している(気がした)。AndrewとTomが蜘蛛の糸を出すのは外付けデバイスだと言うのに対してTobeyのは内蔵型だって。出すときには頭のなかで念じるとかいうので、どんなふうに?とか、穴を見せてほしい、とか。穴は確かに見たいな。

あと、これは”Second Chance”だ、って言うの。やり直せる – これは彼らだけじゃなくて悪人みんなだってそうで、だから今回の”Cure”だと思うのだが、大きな力に伴う責任 - "With great power comes great responsibility" - と、その責任についてくるものであろうがなかろうが、やり直せるのだ、だからありがとう愛してる! って。この文脈でAndrewはMJを救うことができたのだし、Tomは自分をみんなの記憶から消してしまっていい、ってDoctor Strangeにきっぱりと告げることができたのだな、というあたりがより鮮明に出たかも。

でも、それならばやっぱりGwen (Emma Stone)は出して救ってあげてほしかった(あのストーリーラインも)。やり直せるのは男ばっかりなのかよう、って。

最後の最後にBettyがふたたび登場して卒業アルバムを楽しく開いてくれて、そこにはー。
Doctorのあれは、呪文とか魔法みたいなもんなので、どこかで解かれるはずだから、と信じたい。

あと、Venom氏は相変わらずのようなので、どっちみちなんかあるはずで、なんかあるならなんだってある、そしてVenomは宇宙にも繋がっている、などなど。なんだってこい!(半ばやけくそ)

レコードでも売れたりすると半年後にボーナストラック追加でDeluxe 盤が出たりするけど、映画もそんなふうになっていくのかしら。DVDのおまけでやっていたものがやっぱりIMAXで見たいな、になって。


今日の夕方、シネマヴェーラで『三人の名付け親』(1948)の上映を待っている時にゴダールの死を知る。
先週エリザベス女王が亡くなり、昨日ウィリアム・クラインが亡くなり、今日はJLG。 20世紀が閉じていくかんじ。

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