9.07.2022

[film] Bullet Train (2022)

9月2日、土曜日の晩、109シネマズの二子玉川で見ました。IMAXで見たのだが、昔のシネパトスみたいなとこでだらしない格好で見るようなやつだった。

邦題は『ブレット・トレイン』 ブレット? へんなの。原作は伊坂幸太郎の『マリアビートル』(2010) - 未読。

監督はDavid Leitch、プロデューサーはAntoine Fuqua、主演はBrad Pittと、一見まともなふうに見えるけど、ものすごくJunkでぐじゃぐじゃのどうでもいいやつで、背後にジャパン・カルチャーへのエキゾチシズム(真偽どうでもいい)を匂わせつつ、要は殺し合いをかっこよく見せたい、その実験場でしかないようなかんじ。最近のだと、”Snake Eyes” (2021)とかの同系かも。

東京の病院でKimura (Andrew Koji)が何者かにビルの上から幼い息子を突き落とされたことを嘆いて怒っていて(放置していたあんたがわるいんや)そこにKimuraの父の真田広之もいて、彼のいたやくざ組織を壊滅させた悪の首領”White Death”の恐ろしさを語る。

同じ東京で、女性の声から指令を受けている元殺し屋のLadybug (Brad Pitt)が東京駅から京都行きのBullet Train – あれって新幹線とイコールにしてよいの? - に乗りこもうとしていて、金属のブリーフケースを盗んで京都まで運んでそこで待っている連中に渡せ、と。

ブリーフケースとWhite Deathの息子を土産として運ぼうとしていたのは二人組の殺し屋Tangerine (Aaron Taylor-Johnson)とLemon (Brian Tyree Henry)で、でもこの他に若い女の子のThe Prince (Joey King) - 彼女を狙ってKimuraが乗ってくるけど返り討ち - とか、各駅での一分間の停車時間の間に乗りこんでくるメキシコの殺し屋The Wolf (Benito A. Martínez Ocasio)とか、着ぐるみに身を包んだ毒の使い手The Hornet (Zazie Beetz)とか。

基本はLadybugと指令塔の女性の会話からいろんなことが明らかになっていくのだが、Ladybugはどこまでもまったくついていない奴 – このミッションもRyan Reynoldsの代役だし - という設定で、反対側にいるThe Princeはなにやってもラッキー – つまりぜったい殺されない – という設定になっていて、ものすごい速さ(のはず。感じられないけど)でぶっとんでいく超特急の車内でまずはWhite Deathの息子が何者かに殺され、ブリーフケースが簡単に盗まれ、そこに動物園から逃げ出した毒蛇やいろんな殺し屋がそれぞれの目的や恨みで刺しまくったりトイレに押しこんだり籠ったり車外にぶっとばしたりのやり放題で、でも超特急なので誰にも止めることはできないの。

“Die Hard”的に悪と正義がサバイバル合戦するというよりは、”John Wick”的にとにかく目の前にいて邪魔する奴は消す – 殺す/殺される理由はみんなそれぞれわかっている - 方式で動いていくので、全貌 – 結局White Deathが過去から張り巡らせて拗らせたいろんなの - が見えてくるまでは誰がどっちのどういう奴なのかがわかんなくて、でもとにかく目が合うなりこいつだ、って殺そうとする。いきなりやられる方はたまったもんじゃないねえ、とか。

主人公と思われたBrad Pittは実はあまり強そうではないしそんなすごい活躍もしなくて、どちらかというとなんとなく逃げてストーリーを浮かびあがらせる役回りで、最終的にはWhite Deathの命令を受けて動いている側とWhite Deathの命を狙っている側との二極に分かれていくのだが、そんなの電車のなかでやるな、って。 ”Speed” (1994)みたいに速度落したら爆発とか、”Unstoppable” (2010)みたいにやばいもの積んで止まれなくなった、とかそういうスリルや仕掛けがあるわけでもなく、ハイパーモダン?な「ブレット・トレイン」の上に古典的なにっぽんのやくざ/サムライ/忍者ものを展開してみるのもうまくいっているように見えず、これなら”Fast & Furious”みたいに車をぶっつけあいながら五十三次を進んでいってもよかったのではないか、とか。 あと悪党がみんな仮面をつけているのは忍者のイメージ? もうふつうすぎてつまんなくない? とかいくらでも。

最後に正体を現すWhite Deathは予想もしていなかったMichael Shannonで、彼と真田広之のバトルになるのはすごい!のにもっと二人でねちねちぐさぐさやりあってほしかった。こんなの、にっぽんの右翼が嬉しがるネタもあるし、昔のやくざ映画のフォーマットもろなんだから、どうだ! って(ださいのまるだしで)日本から世界に示してほしかったのになー。

あと、Sandra BullockとChanning Tatumが出てきたのは“The Lost City”のからみ?

ということは、あの時のHawkeyeはロシア側と組んでいたのかー、とか。

てんとう虫の背中の星ってそういう意味だったの?、とか。

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