5.24.2021

[TV] The Pursuit of Love (2021)

各1時間 x 3エピソードあるTVミニシリーズで、5月9日の日曜日の晩にBBC Oneで最初のエピソードが放映されて、ストリーミングの方では3ついっぺんにリリースされていたので、引越しの箱詰め作業の合間、日-月-火の3日間かけて見ました。水曜日から怒涛の引引越しに巻き込まれたので、これが英国で最後に見た作品となった。日本からもVPN繋いでBBC iPlayerに入れば見れるよ(見れたよ)。

原作はNancy Mitfordの1945年のベストセラー小説(未読)で、これを女優で本作にも出演しているEmily Mortimerさんがひとりで脚色して監督している。

冒頭、1941年のチェルシーのフラットの屋上で黒のフレンチブルと一緒にのんびり日向ぼっこをしているお腹の大きいLinda Radlett (Lily James)がいてふぅって息をついた途端にフラットが爆撃されて視界から消える。

瓦礫のなかを向こうから歩いてきたFanny (Emily Beecham)がブルと一緒に焼け出されているLindaを発見して抱きあって、2人で車に乗ってオックスフォードシャーのAlconleighに向かう。語り手はFannyでLindaとは同い年のいとこ同士。LindaのRadlett家の屋敷 - Alconleigh - がふたりが幼い頃から一緒に過ごした場所で、着いたところで時代を遡り1918年から3年くらいのクリスマスの思い出 - げろしたり叱られたりしょうもないLinda - の思い出が回想された後、1927年、ふたりが17歳になったところから彼女たちの輝ける人生が始まる。

敷地内を全力疾走するLindaを見つめるFannyの声 - 大声で元気いっぱいに笑ってはしゃいで、でもすぐ泣いて塞いで、動物だいすきで動物のように愛とエモむきだしのワイルドなLindaを中心に、彼女の父で外国人が嫌いでヘイトをまき散らす雷おやじのUncle Matthew (Dominic West)、Fannyの母で一人娘のFannyを妹の家に預けて(捨てて)愛人をとっかえひっかえしているThe Bolter (Emily Mortimer) とかに隠れて屋根裏のリネン部屋でHons Societyを組織して恋愛や将来について夢と妄想を語りあう日々。

近所の変わり者貴族のLord Merlin (Andrew Scott) - 怪しすぎてさいこー - を少し気にしつつ銀行家の息子のぼんぼん - Tony Kroesig (Freddie Fox)と一緒になって結婚して、もちろんその程度で終わる話ではなく、ここから財と時間を手にしたLindaと自分も結婚したFannyとがLondonに出て、大戦の合間のキラキラ浮かれた時代と場所で、主役は自分たちだって愛を求めて - The Pursuit of Love - 浮かんでは沈んで追って追われての狂熱の愛に爛れた日々と、それでも互いにずっと大切に思っていたふたりのお話し。

衣装とか(ふたりのも貴族のも)がとっても素敵で、これってNational Portrait Gallery (NPG)でやってた”Cecil Beaton’s Bright Young Things”の世界だわ、って。2020年の3月12日に始まったと思ったら同17日にロックダウンでCloseしてしまった展示。このままNPGは大規模改築工事に入って2023年までクローズになってしまったので見ておいてよかった。写真家としてのBeatonの初期のキャリアを作った1920-30年代の英国貴族のぼんやじょう達のBrightでYoungなThings。

とにかくあれこれ爆発的に弾けまくるLily Jamesとそれを少し困った顔をしつつも優しく見つめるEmily Beechamのふたりがとても絵になるのでどこまでも見ていられる。最後はちょっと切ないけど。 日本だったらぜったい朝の連続TV小説になりそうな話。

あと音楽がすばらしくてー。The WhoはくるわGeorges DelerueはくるわRossiniはくるわT.RexもNew OrderもLe TigreもMarianne FaithfullもSleater-KinneyもJohn CaleもBlossom DearieもNina SimoneもKaren Dalton もCat Powerも、こういうのって音楽が外れてしまうと悲惨なのだがこれは見事だった。 “Marie Antoinette” (2006)のサントラもこれくらいだったらー。

映画館で見たいなー。


自宅のWifiはまだ壊れているのだがなんとか障害箇所の特定までいった。あんな壁の奥だったとは。

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