12.07.2010

[film] Les Bonnes Femmes (1960)

ほんとうに、寒さがしゃれにならなくなってこのままじゃ死ぬかも、くらいのところまできたので、J.Crewでコート買った。 ユニクロなんかでぜったい買わないもん (←こごえじんでろばか)。

日曜日は、Lincoln Centerで映画3本。 Chabrol1本。 Penn2本。

お昼過ぎから、Chabrolの60年作、"Les Bonnes Femmes"。
邦題は『気のいい女たち』、英題は"The Good Time Girls"。

パリの電気屋で働く4人の娘さんのおはなし。
昼の仕事はしぬほどつまんなくて、でも夜遊びは楽しくてどんちゃん騒ぎとか朝帰りとか。

そんな彼女たちの日常をHenri Decaëの、Henri Decaëとしか言いようのないモノトーンのカメラが追って捕えて、つないでいく。

最初は、「ほんとは裏でなにやってるかわかったもんじゃねえ」みたいなところを追いかけていったら、結果的にこういうものができたのではないか。

彼女たちだってひとりでぼーっと過ごしたり、家族と一緒だったり、そういう時間もあるはず、でもそれって結局だれにもわかんないよね。 わかんないんだったら、わかんないんだから、こんなことだってやっているかも、こんなことだって起こっているかも。  "Night Moves"。

こんな想像とか妄想とかがひろがっていった果てにChabrolの映画のコア、Chabrolの描く都市や犯罪、はあるのではないか。 そうして広がっていった想像力と映画で描かれる現実界との間に突然現れる亀裂、裂け目として、彼の映画における死や殺しはあって、だからいつもびっくりさせられるし、戦慄するのだとおもう。

前半のパーティの乱痴気騒ぎも、動物園のエピソードも、どれも楽しいし、歌謡ショーのとこも、じたばたするけど、あるかもねえおもしろいねえ、みたいなかんじ。 それが夜のプールの後で、空気がざわっと変わってあんな方に行ってしまう。 それまで動物を追うように4人の行動を追っていたカメラが、たったふたりに寄っていって、どこか知らない場所に移動して、「ほんとながい首だねえ」とかおもっていたら・・・  客席全員 「・・・え?」みたいな。

映画はすべてを明らかにしたり、すべてを説明したりする必要はない。 
でも、それでも登場人物の行動を自身の行動規範やパターンから理解しようとつとめる我々の首元にとつぜん突きつけられる冷たいナイフ。 それが常軌を逸しているからこわいのではなくて、握手するみたいにふつうに出てくるからこわいのだとおもう。

同じ女の子4人組、おなじように都市とセックスを描いていても、SATCとこの映画とでは随分ちがう。
その違いについて論ぜよ。 って自分ががっこの先生だったら宿題でだすとおもう。

それにしてもパリって、夜の10時過ぎにプールに入れるの?

どうでもいいけど、この映画のBernadette Lafontは、Juliette Lewisさんみたいだとおもった。

Chabrolのオンナもの、ほかにもいっぱい見たいけどなあー

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