12.24.2010

[film] Early to Bed (1932)

クリスマスイブの前日だというのに幽霊がでてあきれたが、クリスマスなのでなんもしないでほうってでる。

ほんとは、7:00からMOMAでBertolucciの"La luna" (1979)を見る予定だったのだが、30分前に付いたら売り切れのStand-byの列が既にながーく出来てて、またかよ、とあきれつつ、悔しいので一応並んでみる。 そしたら手前5人くらいのとこでアウトになってしまった。 自分の後ろにはあと10人くらいはいた。

しょうがないので別の映画にしようかー、と思ったら、並んでた人たちはみんな7:30からはじまるワイマール映画特集のほうのチケットを貰っている。

あの、あなたたち、悔しくないの? 映画ならなんだっていいわけ? イブの前日だというのに? とか言ってやりたくなったが、みんなあまりに平然とチケットくれとかゆっているので、自分もつい貰ってしまった。 日本人だし。

というわけで、パンフの解説によるとコメディぽいがそれ以外はまったく得体のしれない映画を見ることになった。 いいじゃないのイブの前日なんだから。

32年の、Ludwig Berger監督(このひと『バグダッドの盗賊』(1940)の監督なのね)作、独語題は"Ich bei Tag und Du bei Nacht"、直訳した英語題は"I by Day, You by Night"、邦題は『私は昼あなたは夜』。一応日本公開されているらしい。

これはねえ、すんごい当たりだった。 おおあたり。
Bertolucciよかぜんぜんおもしろかったかも。(負け惜しみ)
サンタさん、ひょっとして、今年はこれでもうおわり?

下宿屋の同じ部屋で、同じベッドを共有しているふたりがいるの。
女の子は昼間の仕事(ネイルサロン)だから夜だけそこで寝て、朝に彼女が出かけると夜勤(ウェイター)から帰ってきた男がそこのベッドで寝るの。 

がめつい大家のおばさん -なんでか自分を貴族の出だと信じこんでいる- が二人が顔をあわせたり鉢合わせしたりしないようにコントロールしているんだけど、その時点でなんか変。
でもふたりは当然のように、男の野郎があたしのドレスを床に落とした、とか、またぼくの帽子を転がした、とかぐちを言いつつ暮らしているの。

で、そんなふたりが町で会って、お互い相手のこと知らないし、どっちもどっちをお金持ちと思いこんで、身分違うなーと思いつつ自分の職業は言わずに、とりあえずデートして、で、やっぱりなんかお互い好きになるんだけど、それぞれの思いこみから、事態はこんがらがった方に転がっていくの。 ラストはいわなくても、ね。

男のほうの友達が映画館で映写技師をしてて、彼が映写している映画の設定とか映画で流れる歌がそのまま主人公達の世界に被さってきて、この演出もなんかよいの。

歌がまた素敵でねえ。「日曜日の夜には映画をみるの。そうすると憂鬱な月曜もなんとかなるの」みたいな。 うんうん(涙)。

女の子のほうがそんな美人じゃなくて、そこらにいそうなかんじなんだけど、すごくよいの、さばさばしてておきゃんで、今でいうとReese Witherspoonあたり、かなあ。

ルビッチのラブコメの、あのうわぁー♡ってくるかんじに似てて、なんか関係あったのかしら。
30年代初というと、ルビッチを師と仰ぐビリー・ワイルダーがウーファで脚本を書き始めたころだし、きっと影響は受けてるよねえ。

ルビッチといえば、Film Forumで"Cluny Brown" (1946)がはじまったの。
もう何回も見ているのだが、どうせまた見るわよ。

というわけで、クリスマスの3連休は、映画どっぷりになるもようー。
あーでも、寒かったら籠ってねるだ。


すんごくどうでもいい話だが、”Ludwig Berger”でググったら「バーガー社会学」のPeter Ludwig Bergerがいっぱい出てきたので笑った。
久しぶりだな、あんた。

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