3.15.2023

[theatre] Romeo and Julie

英国滞在中いっこくらいは演劇も見たい、ということで3月3日の晩、National TheatreのなかのDorfman Theatreで見ました。 ウェールズのSherman Theatreとの共同制作作品。

この作品か(Longpigs~Pulpにいた)Richard Hawleyが楽曲を担当したシェフィールドの若者ミュージカル “Standing at the Sky's Edge”にするか迷ったのだがこっちにした。

National Theatre周辺は、隣のBFIも含めて何事もなかったかのようにかつての賑わいが復活していた。シアターの上演前の賑わい、懐かしいし嬉しいけどマスクしないとやはりちょっと不安が。

原作はGary Owen、演出はRachel O’Riordan、舞台はウェールズ。
18歳のRomeo (Callum Scott Howells)はアル中の母親Barb (Catrin Aaron)と一緒に乳母車にのった赤ん坊の世話をしていて、べたべたのオムツにうぇーってなっているが失業中のシングルファーザーなのでなんもいえないしできないし。

Julie (Rosie Sheehy)は天文物理学者になるべくケンブリッジに通っているよいこなのだが、よりによってRomeoと恋に落ちて、自分の将来とRomeoと一緒になる未来を天秤ではかることになり、彼女の親はケンブリッジに決まっているだろう、こんなよい機会を逃すな知らんぞ、って。

舞台はシンプルでフラットな黒で、ぐねぐねに曲がりくねるネオンが巣のように頭上を覆っていて、場面転換時にはやかましいエレクトロみたいのが雷のように降り注ぐ。

シェイクスピアの若者の悲劇と比べると随分軽め、というか労働者階級から抜けられない彼と、そこから抜け出す可能性を掴みかけながらも足を引っ張られ(という言い方でよいのかも含めて)悩む彼と彼女のそれぞれの「家」や階級に絡めとられる流れは同じでも、それが怒涛の悲劇にぶち込まれたり巻き込まれたりすることはなく、ラストはちょっとだけほっとする。勿論、それを甘いとか違うんじゃないか、というのは簡単だしそうかもー、って思うのだが、そういうのも含めて、たぶんこれが今の若者、ということでよいのではないか。(ってなっちゃうのはどうか)


Arcadia (2017) Live : Will Gregory + Adrian Utley

英国滞在中いっこくらいはライブも行きたい、と3月4日の晩、Alice Neelの展覧会を見たあと、Barbican Hallで見ました。 滞在中の他のライブだとDry Cleaningなどもあったのだが、昨年LAで見たし、と。ずっとSold outしていたが直前になるとぽつぽつキャンセルがでるのでそれを釣った(昔とおなじ)。

ただちゃんとしたライブ、というよりは映画上映の伴奏としてライブ演奏をくっつけたもの。
元の映画のサウンドトラックを担当していたPortisheadのAdrian UtleyとPotisheadのライブにも参加していたGoldfrappのWill Gregoryを中心に、フォークシンガーのLisa KnappとオペラもやっているVictoria Oruwariのふたりの女性ボーカル、他に指揮者を含む5名の弦楽奏者、計9名の楽団がステージ上に。(上映開始後に指揮者のヘッドセットに音が行っていなくて、最初からやり直し、になっておもしろかった)

映画のArcadia (2017)の方はPaul Wright監督によるセミ・ドキュメンタリーのような作品(78分)で、これまで見たことなかった。 BFIやPatheが持っている膨大な量のアーカイブやニュース映像(BFI Playerでも無料で見ることができるけど、すごい量でいろんなのがあるので見始めると止まらなくなる)などを切り貼りして、英国の田園風景、自然に動物、農村生活から都市化まで、我々でもイメージできる「古き良き英国」の不気味で怖そうなところも含めて、「Arcadia - 理想郷とは?」 の周辺をコラージュしていく。これが当時のBrexitに抗する(or 乗っかる)ものだったのかは不明だが、ノスタルジアと茫洋とした怖れの両方を渦巻きで喚起していくところがあって、よくない夢に半端にずるずる落ちていく感覚が怖いなよいなーって思っているととんでもない睡魔などがー。

ここでライブ演奏された音が元のトラックとどれくらい違うのか同じなのかが不明で、ライブ演奏による効果などについては上映後に監督も交えて話しましょう、ということだったのだが、お食事の予定があったのでそちらは不参加となった。


【今回買った主な本とか】

- Cezanne展図録
- Raphael展図録
- M.K. Čiurlionis: Between Worlds展図録
- A Revolution on Canvas:  The Rise of Women Artists in Britain and France, 1760-1830
- Alec Soth : Gathered Leaves Annotated (サイン本) - 紙がすてき..
- Celine Marchbank : A Stranger in my Mother’s Kitchen  - ひとめぼれ
- Brian Ferry詩集(サイン本)- 問答無用
- CONFORM TO DEFORM: The Weird and Wonderful World of Some Bizzare(サイン本)
- Dreamworld: The Fabulous Life of Daniel Treacy and his Band Television Personalities(photozine付き)

ここまでで結構、じゅうぶん重くなる気がして、がらがらに詰めた後の重量が心配だったのだが、思ったほどではなかった。これならもっと買うんだったわ。

古本は、なんとか我慢した。
レコードで買ったのはThe Theの新しい7inchだけ。12inchもCDも買わなかった。 Rough Trade Eastのレイアウトが変わって小綺麗になっていて、なんか調子が狂ったのかも。

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