3.23.2023

[film] Magic Mike's Last Dance (2023)

3月19日、日曜日の昼、ヒューマントラストシネマ渋谷で見ました。
新作をぜんぜん見ていなくて、でも見たいのそんなにないし、でも見ないと消えていっちゃうし、でも時間割が合うのないし、等々を抜けると見れる(見たい)やつはそんなに残っていないの。配信? 春なのに?…

“Magic Mike”ものの3作目。ひとつ前の“Magic Mike XXL” (2015)は見ていない。監督はSteven Soderbergh、脚本は”Magic Mike”もの前2作も手掛けたReid Carolin。

Soderberghといえば、前作の“Kimi” (2022)をLondonに向かう飛行機で途中まで見て、なんとなく悲しくなりそうな気がしたのでやめたのだった。

マイアミで家具屋をやっていたがCovidのパンデミックで破産してしまった”Magic” Mike Lane (Channing Tatum)ももう40歳、野心もなにも枯れてて、でも食べなきゃいけないのでケータリングにくっついたバーテンダーのバイトなどをやっていると、客の女性からあなた以前どこかで会った? - 警察官をしていなかった?(確かにそういうプレイをしていた...)とか声を掛けられる。

パーティの主催者 - ロンドンのお金持ちの妻で離婚係争中のMaxandra – Max (Salma Hayek Pinault)から放課後に呼び出され、彼女のためにスペシャルぐりぐりダンスをしてあげると、あなた気に入ったから一緒にロンドンに来て、と言われる。俺はもう踊らないんだ、とか、ボーイフレンドとしてなら、とか何度も言うのだが、お金沢山貰えそうだからいいか、ってプライベートジェットに乗せられて一カ月滞在することになる(いいなー)。で、着くなりまずその服をなんとかしなさい、ってLiberty(デパート)に連れていかれて、Mikeは値札を見てげろげろ、ってなる(あそこで服は買ったことないわ)のだがいっぱい買ってもらって(いいなー)、メイフェアあたりにあるMaxの邸宅を間借りする。そこにはずっと彼女の傍に侍っている執事のVictor (Ayub Khan Din)とMaxの娘でおしゃまなZadie (Jemelia George)がいる。

Maxに依頼されたのは、彼女が夫から譲り受けた遺跡のように古いシアターでやっている古典コスチューム劇(タイトルは”Isabel Ascende”)をリフォームすることで、登場人物の意識から台詞からなにからなにまで化石で今の女性にはまったくアピールしないので、こいつをなんとかしてくれ、って。

ぜんぜんダンスと関係ないじゃん、とか、でもおれは踊らないからな、とかぶつぶつ言いつつ、町に出て野良ワイルド系の男ダンサーをスカウトしたり、イタリアからMaxが一本釣りしたダンサーとか(あんなにごろごろいるものなのか?)男たちが集まってショーに向けた(台本もなんもないみたいだけど)リハーサルを始める。

こうして学園ものみたいにやれるぞ! って盛りあがって一体感も出てきたところで、彼女の夫の差し金か、市当局が文化遺産でもあるシアターの保護に絡めてストップをかけてきて、一度はご婦人の役人をどうにか丸めこんだ、と思ったのに直前になってやっぱり…

かつてばりばりだったのに今はくたびれて落ちぶれている勇者/ガンマン/ギャンブラー(など)のところに無茶な依頼が来て、依頼主との間にもいろいろあるうちに恋がうまれて、共同作業にもいろいろ妨害とか障害が出てきて絶対絶命.. っていう古典的なプロットの組合せを維持しつつ、女性(たち)のファンタジーとしての男性ストリッパー – “Magic Mike”が本来の役割に立ち戻る、しかもその舞台は、自由でなんでもありのマイアミとは正反対の階級格差や各種しきたりだのマナーだのでがちがちの英国 - ロンドンで、と。

こうして書いてみるとなんだかおもしろそうだし、個人的にはぜんぜん嫌いじゃないのだが、評判があんましよくないのってなんでかしら? って思うと、やっぱり離婚の危機にあるMaxがひとりで勝手に妄想/暴走しているように見えてしまうのと、Mikeがそんなに楽しそうには見えない(もともとそういう奴だけど)あたり、だろうか。もっとヤンキーした、1作目のMatthew McConaugheyみたいな奴を連れてきたほうがよかったのでは、とか。あとは、せっかく”Last Dance”っていうならChanning Tatumにもっと、ぎりぎりまで、彼の「白鳥」を踊らせてやるべきではないか。

VictorとZadieのやりとりは微笑ましくてよかったけど。

あと、やっぱり最後にはMax - Salma Hayek Pinaultにあの高慢ちきな旦那を張り倒してもらいたかったなー。
脚本のせいなのか、Soderberghの隙なくびっちり詰められたいつものかんじが甘めだった気がした。

あと、ロンドンではパンデミック前まで、Leicester Square駅前のカジノ/キャバレーみたいなとこでずっと”Magic Mike”のショーがかかっていたので、そことの折り合いをどうつけるのか、だな。
 

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