10.14.2019

[music] Helmet

10日、木曜日の晩、O2 Academy Ishlingtonで見ました。ここに最後に来たのは昨年のLunaのときか。

Helmetは、”Betty”のときのツアーで初めて見て、2004年の再起動直後にも一度見て、2010年にも見ている。今回は結成30周年で、30都市をまわって、各ライブでは30曲やる(実際には31曲とかやっている)ので、30 x 30 x 30。行かないわけにはいかない。

チケットにはDoor - 19:00とあって、そういうときはOpenerが19:30とか20:00から入るので、20:30目指していけばいいか、と20:00少し過ぎに着いたら会場の周辺がものすごく静かだったので、あーやばい、と慌ててドアを開けたら“Repetition”のすさまじい音圧がきて飛ばされるかと思った。チケットにはサポートあり、って書いてあるのに会場のポスターには”No Opener”って。ばかばかばか。 当日券は出ていたけど結構ぱんぱん入っていて、明らかにそれ孫でしょ、を連れているおじいさんとかいた。

もう何曲かやっていたらやだな、と後でセットリストを見たら”Repetition”が1曲目だった。1stの1曲目から始めていて初期から中期から再開後もまんべんなく。  Page Hamiltonは”Unsung”の前、シャツを羽織る(ロンドンは寒いんだって..)時に少し喋ったくらいで、演奏に没頭して次々にがりがり引っ掻きどかどか落としていくかんじ。 バンドも同様に全員一生懸命なのだが、一糸乱れぬアンサンブル、というよりひとりひとりが足場に集中した結果ものすごい音が出ているというか、Helmetの曲の特徴って - unsungだけど - ジャズやブルースみたいにしっぽがスイングする (not to roll) とこにあると思っていて、全員の気持ちよいスイングがとてつもない爆裂感を生んでいる。ゴジラのしっぽがばしゃばしゃいろんなのをなぎ倒していくのを見ているようで、それを受けてフロアも跳ね回る – ふつうのこういうライブにあるような横滑りしていくモッシュにはならなくて、みんなぴょんぴょん跳ねたり、猫みたいに揃ってクビを回したりする。

Björkの "Army of Me"のカバーとか、はじめはこれ原曲だれのなんだっけ? になるのだが完全に(タイトルも含めて)Helmetの曲になっているの。笑っちゃうくらい。

あと、いまGang of FourのTributeアルバムに参加しているらしく、Andy Gillのすばらしさについて - 自分はとても及ばない -とか語っていた。

アンコールは”I Know”やって”Sam Hell”やって”Just Another Victim”やって、もうしんじゃう(or いつしんでもいい)になったところで、ここまでで自分の計算だと28曲くらいやっているはずだからリクエスト取るよ、って。いろいろ聞いてあーそれは無理とか、ちゃんとリクエストしないとVan Halenやっちゃうぞ、とか一通りやりとりした後で、天国への階段を弾きだしたので、ええー?てなったら、「あ?Not Stairway to Heavenなのね?」とか。   結局97年を振り返ってみようか、って”Crisis King”をやって、ラストはもちろん渾身の”In the Meantime”だった。

自分にとってのHelmetは、やっぱり“Meantime” (1992) ~ “Betty”(1994)であることを再確認したのだが、とにかく懐メロ感のなさときたらすごい。だいたい25年前の曲であり音なんだけど、ある時期や時代の記憶もある土地の香りも、そういうのが沸いてこない - 数式とか幾何学模様にそういうものがひっつかないし、Helmetは硬いだけで脳みそとかついてないし、とかそういう話なのだと思った。

アンコール入れて2時間びっちり。 この分だと40 x 40 x 40もきっといけるはず。 来年Hamilton氏は還暦だから60 x 60 x 60でも。

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