10.28.2019

[film] Official Secrets (2019)

16-17日は仕事でブリュッセルにいたら、17日の昼前にBrexitでBorisがEU連合と合意したとか言うふざけたニュースがぽこっと入って、まあああたこのブタ野郎(いつもいつも引き合いに出してほんとにごめんねブタ)は、せこいことばかりやりやがって、と帰るときも憤懣やるかたなく近場のEU連合ビルにどなりに行ったろか、くらいに思った(実際にそういう人たちうろうろしてたし)のだが、しかたなくロンドンに戻ってTVつけると、Brexitまでのカウントダウン – Day : Timeなんてやっているのでふざけんじゃねえやい、だったの。

で、この映画はCurzon Mayfairの、20日土曜日の12:45の回を取ったのだが、そこに向かう地下鉄が立て札と帽子(ヘルメットじゃない)で装備した人々でざわざわすごい混みようで、降りたいGreen Parkの駅はデモのため閉鎖していて止まらないよ、とかいうのでひとつ手前のHyde Park Cornerの駅で降りると、更にものすごい人の波で階段も道路もびっちり、映画館まで辿り着けなかったらそのままデモ参加すればいいか、ってしばらく一緒に歩いた。

みんないつものデモのモードで、”Bollocks to Brexit, Bollocks to Boris”のステッカー貼って、外見は歌うたって朗らかなんだけどあたりまえのように激怒していて安心した。 そしてこの怒りの波はデモの回を追うごとに(少なくともロンドンでは)でっかくなっているの。まあね、往生際わるすぎ、ってふつうなら思うよね。

びっくりしたことに映画はCMが始まっていたものの間に合ってしまい、デモ後の鼻息あらい状態で映画の世界に入ってみれば2003年、英国がイラクへの派兵を決めた際のロンドン史上空前規模のデモの様子が映したされたりしているので、拳を握らないわけにはいかない。

こないだのLFFでは”Debate”カテゴリのGalaでプレミア上映されていた作品。実話ベース。

2004年2月、法廷でKatharine Gun (Keira Knightley)が国家機密を漏洩した罪に問われようとしているところが冒頭。 話はそこから1年前に遡る。

英国の政府機関GCHQ(Government Communications Headquarters)に勤めていたKatherineはある日、米国NSAから届いた国連にイラク侵攻を認めさせるための裏工作指示メールを見て、なにこれ?こんなの違法じゃないの?って周りを見渡すとみんな受け取っている、という。こんなことまでして自分の国を他国の戦争に参加させるのはおかしい、って頭にきた彼女はメールをプリントアウトして知り合いの反戦活動家に渡し、活動家はそれをThe Observer紙の記者(Matt Smith)に渡す。 リークされた内容は最初Fakeと言われる(担当がSpellcheckかけちゃったら英国綴りになった… って)ものの、送付元の裏が取れたりしたので問題化し、Katherineの職場では誰がやったのかについて捜査官を入れた個別面接が始まり、なんとかやり過ごしていた彼女も決意を固めて自分がやりました、って言うと..

一応政治サスペンスのような売られ方をしているのだが、Katherineも彼女を弁護士として支えるRalph Fiennesも自分の信念に沿って行動するので強くて負けなくて、怖い、というより気持ち悪いのは彼女を国のスパイとして喚きたてたり彼女の配偶者(トルコ移民)を強制送還しようとする政府側の異様な動きの方。 でも結局は彼女のいちかばちかの捨て身の賭けがあの戦争はIllegalなものだったごめんなさい、と国に認めさせたのだから偉い。ただ、そのウソ情報に基づいた侵攻で数万の人が亡くなったって、ほんとにひどいし許されるものではないよね。

当時、911後の米国でもアルカイダとフセインを線で結んで喧嘩を売るのはブッシュの私怨に近いこじつけだろ、ってみんな思っていた。でも周囲にはまだ傷ついた人たちも沢山いたし.. というのは言い訳にすぎなくて、やはりきちんと反省しなければ – というのが今なのだと思う。

それにしても、Brexitも本件も、いろいろあるけど最後は国の議会や法廷がきちんと機能する、っていいよな、って。 にっぽんはそれすらだめだもん。ほんとうに教科書で読んで昔の話と思っていた戦前のひどい状態が目の前にある、ってどうしたらよいのか。

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