10.15.2019

[film] IT Chapter Two (2019)

9月29日、日曜日の午後、Leicester Squareのシネコンで見ました。

上映前の予告で、Stephen Kingが出てきて”Doctor Sleep”の予告の前振りをする。”The Shining”を超えたおっかないものができるのかしらん?

前作 – 1989年にPennywise (Bill Skarsgård)を蹴散らして、でも「それ」がまた出たらみんなで集まろう、って誓って別れて、時は2016年、地元のDerryで灯台守みたいに「それ」が出るのをひたすら待っていたMike (Isaiah Mustafa)が、ゲイの青年の殺人事件からついに現れたことを確信して各地のLosers Clubの連中に連絡する。すぐこい、と。

で、呼ばれた彼らは仕事が、とか出張が、とかライブが、とかそんなことは言わずに割と素直にきちんと集まって、作家になったり、コメディアン(.. Joker)になったり、DVを受ける妻になったり、金持ちの建築家になったり、あたりまえだけど大きくなっていて、最初の方は彼らがどんなふうに変わったのか、なんでそんなふうに変わったのか、でも変わらないところは.. などをChapter Oneの頃の彼らも絡めて紹介していく。

で、ひとりを除いて全員が中華料理屋の円卓を囲んで再会を楽しむのだが、締めのフォーチュンクッキーが.. (ここの場面のどたばたが一番おもしろかったかも)

Derryで彼らLosersがなにをするかというと、インディアンのおまじない系(← それ信じていいのか問題あり)にはまったMikeの指示で各自が過去のPersonal Itemを7つ集めるべし、というのでそれぞれが自分の昔の家を訪ねたり余り楽しくない過去と向き合う旅をすることになって、そういうことをこまこまやっているので169分かかるの。

作家のBill (James McAvoy) とか、ずっと虐められてきたBeverly (Jessica Chastain)があんなふうなのは(子供たちが選んだのだからしょうがないけど、もう少しX-Menじゃないふつうぽい人のがよくなかったか)よいとして、Richie (Bill Hader)はじゅうぶん納得できる力強さですばらしいし、ころころ肥満児だったのにすっきりして、でもいまだにBeverlyへの想いを抱えてすっきりしないBen (Jay Ryan)とか、いくらでも広がってドラマになりそうなのでじっくり攻めていくTVシリーズ(既にあるけど)にした方が、とか、”Boyhood” (2014) 方式でChapter Oneの子たちが大きくなるまで待ったら、とか。

とにかくそんなふうに1/4世紀以上の時間とそれまでの人生ぜんぶをかけてこんにゃろーって立ち向かってくる捨て身の傷だらけの中年男女にPennywiseがかなうわけがないので、後半は割と安心して見ていられて、でもあんな終わりかたになるのであれば、あいつはまた出てきたっておかしくないよな。

でも、クラウンて、あの格好で風船を手にして立っているからおっかなさも倍加するのであって、あんなふうに変態したらさー。

見る順番で変わるのかもしれないが、”Joker”を見てこれを見ると、出てくるクラウンが突然変異の化け物というよりも、ある土地とか環境の下、時間をかけて醸成された悪意や憎悪が踏んで蹴られて煮凝った土着の妖怪みたいなものに見えてくる。 田舎と都会、という違いはあるけど、虐める側と虐められる側という構図があり(今回のNative Indianの件だって)、構ってくれる – くれないという肉親にも関わる愛憎があり、理解者としての隣人や仲間たちがいて。Batmanというヒーローもこの構図の上に乗っかっているのだろうなー。(あの映画で描かれたJokerがあれでよいのかは、あるとしても)

たぶんそのうち、Bill Skarsgård主演でPennywiseが”IT”になるまでが映画化される気がする。

あと、”Joker”もそうだったけど、音楽が極めて弱いよね。もっと狂いまくったのが吹いてきてもよいのに。

そういえばHugh Grantさんが、”Joker”を見て音がありえないやかましさだった、ってTweetしていた件、あれ、Vueっていうシネコンチェーンの音がちょっとひどいのだと思う。あそこ、音がでっかいのはいいんだけど帯域のバランスがなんか変でいつも耳が痛くなるの。

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