10.17.2019

[film] An Affair to Remember (1957)

9月で終わってしまったBFIのCary Grant特集で最後に見た2本を書いておく。

An Affair to Remember (1957)

9月25日、水曜日の晩に見ました。
共演がDeborah Kerrで、監督がLeo McCareyなら絶対見なきゃ、と張りきって行ったら最初の公園に舞う雪と音楽で見たことあるやつだったことがわかった(英語題が沁みるわ)。邦題は『めぐり逢い』。

大金持ちで歩いているだけでみんながきゃーきゃー騒ぐNickie (Cary Grant)とTerry (Deborah Kerr)が欧州からNYに向かう豪華客船で出会ってつんけんしつつもなんとなく仲良くなって気がつけば離れ難くなっていて、でも互いに相手がいたので、船から降りるときに今から6ヶ月後、もしまだ互いのことを想っていたらエンパイアステートビルの屋上で会おう、て約束するの。で、その日までに身辺をすっきりさせたTerryがエンパイアステートに待ってろよ、って駆け寄っていくと…

旅の途中でふたりがNickieの祖母のところを訪ねていくところが大好きで、おばあちゃんとTerryがピアノで歌うところでいつも泣いてしまうのだが、ラストもいっぱい泣ける。 Terryのアパートでようやく向きあったNickieとTerry、そのやりとりはどこまでも固くぎこちなくて、Nickieに対してなんで気づかないんだよこのバカ!とかさんざん思って、彼があるものを見つけてついに… の瞬間がくるのだがTerryは静かにそこに座っていて、アップじゃなくてそこにいて彼を見つめるその表情だけで.. それだけでううぅ(大泣)。

豪華客船でNickieに絡んでいく(or 横どりする)のがBarbara Stanwyckさん(→ ”The Lady Eve” (1941))だったらどう転んでいっただろう、とか。

あと、どうでもよいけど、Deborah Kerrの指がはっとするくらいきれいなの。

Indiscreet (1958)

9月28日、土曜日の晩に見ました。邦題は『無分別』(... ?)。
監督はStanley Donen。Norman Krasnaの演劇”Kind Sir”をベースにしたもの。

ロンドンに暮らす舞台女優のAnna (Ingrid Bergman)が大雨の晩に帰ってきて冷蔵庫の三角チーズ(!)とミルクとかを漁っていると、少し遅れて帰ってきた妹夫婦から経済の専門家だというPhilip (Cary Grant)を紹介されて、だんだん会う回数が増えていく(彼が毎週末にパリから通ってくる)のだが、結婚しているというのでしょうがないかー、になっていると、やがて彼の結婚というのは自衛のためのウソであることがわかって、なんだよそれ意味わかんないって互いに険悪になり、どうなっちゃうのか。

ふたりが最初に共演した”Notorious” (1946)でのCary Grantは本性本音を現さないなかなか冷血な諜報機関野郎を演じていたのだが、今回のはあそこまで冷血ではないものの、なんなのあんた?くらいは言いたくなる - 国際機関でなにやってるか知らんが自分中心で自分が地球を回しているかんじの - 同様のやな野郎をやっていて、そんな彼を迎え撃つIngrid Bergmanはやっぱり酔っぱらっておらおら荒れるくらい(すごくうまい)しかないのだが、どっちにしてもこのふたりのくっついて離れて引っ掻いて、が側で見ていて面白いことは確か。

Cary Grantは明らかに彼女の上位に立っていることを自認してコントロールしよう/できると軽く見ているあほんだらなのだが、だんだんに崩れてくる、というかIngrid Bergmanが崩していくの –もっとぼこぼこにしたれ、とか少し思うけど。

彼女の部屋を何度か訪れるシーンの部屋のカラーとか調度が室内劇としてとても素敵で、この辺はStanley Donenだなあ、って。

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