10.03.2019

[film] The Flesh and the Fiends (1959)

24日、火曜日の晩、BFIで見ました。この晩は50年代の英国映画2本立てで、その最初の1本。なんかの特集に紐づいたものではなくて、出演しているDonald Pleasence氏の生誕100年を記念してのものだそう。   邦題は『死体解剖記』。米国題は”Mania”。(←国によってぜんぜん違う) 

どうでもいいけど、タイトルを”The Flesh and the Friends”(肉と友達)だと思っていたら、”Friends”ではなく”Fiends”なのだった。その昔、”Alien Sex Fiend”っていうバンドがあってな(..まだやっているみたいね)、それをずうっと”Alien Sex Friend”と思い込んでいた、これとまったく同じ誤りを相変わらずやっている。

上映前に“English Gothic: A Century of Horror Cinema”という本の著者であるJonathan Rigby氏のトークがあったのだが、びっくりするくらい完全に落ちていた。ごめん。

19世紀初のエジンバラにDr. Knox (Peter Cushing)ていう解剖学の先生がいて威厳に満ちてておっかないのだが、Burke (George Rose) と Hare (Donald Pleasence)っていういつも酒場でくだまいてるごろつきのふたりが墓を掘り起こしては死体(結構生々しい)を引っ張りだし、Dr.Knoxのところにごとごと運んでいくといくらかお金を貰える。公に解剖(教材)用の死体を安定供給して貰うのは難しいようで、彼らのような闇の連中に頼っていて、死体が新鮮であればある程、お代はよいとか。 で、このふたりはそこらで死んで転がっている死体を持っていくだけでは満足出来なくなってきて、そうっと殺してしまえばわからないような人達を見つけて暗がりで絞めて殺して持っていくようになるのだが、あまりに死体が新鮮すぎたり頻繁だったりするので周囲は怪しいと思うようになり(いや、ちゃんと検死すればさ..)、ここにDr.Knoxの元で学んでいる真面目な苦学生Jackson (John Cairney)と酒場の娼婦のMary (Billie Whitelaw)の儚い恋が絡んだりするのだが、Burke & Hareの基本は面倒になったら殺しちゃえなので、血も涙もない展開で、やがてふたりは捕まって寄ってたかってぼこぼこにされ、当然彼らから品々を買っていたDr.Knoxの責任も問われるのだが、ものすごく胡散臭い演説をしてなんとなく受け容れられてしまう。

という具合に主要登場人物がみんな変でおっかなくて善人はほんの少しだけ、どんよりダークで冷たい空気に満ちていて英国だわー、って思った。ごろごろ並べられるいろんな死体もこの時代にしては妙にリアルでよくできたお話で-。

と思ったら、これが実際に1828年にエジンバラで起こった”Burke and Hare murders”として知られているケースで、ふたりで16人殺しているって。Dr.Knoxも実在して、Peter Cushingは片目が潰れたようになっているのだがそれも本人に似せているのだそう。こわいよう。

でも興業的には惨敗だったって。やっぱり怖すぎるのよ。

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