10.22.2018

[film] Love, Gilda (2018)

まだNYのはなし。 14日の午後、空港行く前、 Union SquareのWhole Foodsでベーコン買って(自分用のお土産。すぐには食べない)、ベーコンの束抱えてQuad Cinemaで見ました。

Quad Cinemaはほんと久々で、一回潰れたんだか潰れかけたんだかして、いまは見事に復活しておもしろい特集上映をいっぱい – 今だと“A Woman’s Bite: Cinema’s Sapphic Vampires”とか、”Très Outré: The Sinister Visions of Jean Rollin”とか、”Margarethe von Trotta: The Political Is Personal”とか – やっている。

Saturday Night Live (SNL)の第一期キャスト(7人のうちの1人)で、89年に癌で亡くなったGilda Radnerの評伝ドキュメンタリー。 こんなの英国でも日本でも上映されそうにないし。

昨年から今年にかけて”Love, Cecil” (2017) – ドキュメンタリー - があって、”Love, Simon” (2018) – フィクション - があって、これ。まだまだいろんな人を愛することが足りていない、ということなのだと真摯に受け止めたい。

わたしはSNLが大好きで、最初にはまったのは90年代初のAdam SandlerがいてRob SchneiderがいてDavid SpadeがいてChris RockがいてChris Farleyがいた時代で、もちろんその後もずっと追っかけてはいるのだが、ここんとこNYに行ってもぜんぜんだめで、だめというのは13日の晩もホテルに戻ってTVをONして、あ、Seth Meyersだあ、って喜んでいるうちに気づいたら落ちてて、Paul Simonが遠くで「明日に架ける橋」を歌っているなあ、と思いつつもまたずるずる落ちて、気がつくとまったく知らない番組だった … ていうのを繰り返している(平日の場合はJimmy Fallonでこれをやってて、だいたいCarson Dalyの番組で目覚めるの)。

で、SNLの昔のスケッチ(いくらでも見ていられる)を見るといつも豪快に笑顔をぶちまけているもしゃもしゃ髪のGildaが素敵で、どんなひとだったんだろうなー、というのはいつも思っていたの。

最初に彼女が遺した手書きのノートを割と最近のキャストだったBill Hader,  Melissa McCarthy, Amy Poehler, Maya Rudolph あたりが触れてざっと読んで感想をいうところから始まって、幼少期から、とにかくなんでもだれでも笑わしちゃえ!の女の子になって、劇団に入ってコメディを志すまで。

キャリアの最初期に知り合っていたPaul ShafferやMartin Shortのコメントもへえー、なのだが基本は誰に対しても表裏なくストレートにぶつかっていった人なんだろうなー、と。 SNLの男性陣ともいろいろ関係とかいざこざがあったようで当時のメンバーからのコメントは(Laraine Newmanを除いて)なかったりするし、最初の結婚相手だったG. E. Smith(..しらなかった)からもコメントはなく、次の相手のGene Wilderからも、まあそうだろうな程度の。 彼女の知られざる何かが明らかにされるようなことはなくて、彼女の見たままが見たままのまま、ずっとでっかく笑っている。

とにかく、笑い、コメディというのはこんなにもひとを明るく軽い気分にさせてくれるものなんだ、というのを彼女のSNLのスケッチのいくつかは教えてくれて、勿論そこにはLorne Michaels特有の志向があることはわかる – ジェンダー目線では結構際どい – けど、ここでのGildaについてはまったく異議なしで、炸裂する笑顔にこっちが戸惑うくらいだし、闘病中にGarry Shandlingのショーに出て「最近どう?」って訊かれて「癌なんだー♪」とか明るく応えるとこなんてすごいとしか言いようがない。 そこになんの作為もないように見せてしまう驚異。

“Love, Gilda”なんて言われなくても好きになっちゃうよね、って。

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