10.12.2012

[film] La Loi du Survivant (1966)

22日から始まっていたシネマヴェーラの特集『フィルム・ノワールの世界』、出張さえなければ全部行きたかったところなのに。 もうあんま残っていないが見れるものから見る、ということで6日の土曜日に見ました。

『生き残った者の掟』、英語題は"Law of Survival"。35mmプリントのでっかさ、がすばらしい。

『冒険者たち』の後日談らしいが、そっちは見ていない。けど、関係なく見れる。
どこかからコルシカの島に還ってきた男が、墓参りして旧友と会って、売春宿に連れていってもらうのだが、そこで出会った女が気になったので、翌日彼女を外に連れ出すの。
彼女は彼と一緒になってリハビリして元気を取り戻していって、他方で組織はむきになって追っかけてくるかというとそうでもなくて、でも最後には決闘があって、過去が明らかになって。

非情とか因果応報とか、そういうのとはあんま関係ないのだが、画面を覆うひりひりした緊張は最後まで途切れることなく、びっくりするくらいよいのだが、変な映画だったねえ。

救いだした彼女がすごい臆病もので、仔ロバが階段から降りてきただけでパニックおこして逃げまくって倒れちゃうの。 ロバは無言で無邪気に寄っていくだけなのに、あのサスペンス演出はなんというか。

彼女が囚われていた屋敷の庭師(でぶ大男)との間の決闘がヤマなのだが、「なんでここまでやるんだ?」って男が聞くと、庭師は「おまえ犬を殺した」って。彼の同僚も「そういうことなのよ」って頷いている。 それじゃしょうがないか。

で、決闘は岩とかがある浜辺で、昼間から夜を抜けて翌朝までえんえんやってるの。立ち会いの連中も焚き火しながら待ってる。道具は拳銃一丁で、それからナイフになって、最後は腕づくで。
だれひとり、バカみたいだからやめねえ? とか言わない。

これの決着がついてめでたしめでたしかと思ったら、更に続きがあって、生き残ったものはなにかと大変なんだなあ、と思いました。

続けて見たのが、"The Red House" (1947) - 『赤い家』ていうの。

足の不自由なEdward G. Robinsonと独り身の妹、養女のメグが暮らしているとこに、メグのクラスメートの男の子がバイトで来るのだが、裏手の森の奥には絶対に行ってはいかん、て言われるの。でも近道だから、って雨の日に通ろうとした彼が見たものはー。
学園モノとサスペンスとホラーが混じったような内容でなかなかすごい。圧倒される。

やっぱしEdward G. Robinsonが怖いんだよう。彼がメグのことを突然「ジニー」って呼び始める瞬間の目とかさあ。

メグ役のAllene Robertsさんが弱々しくて瑞々しくて、かわいそうでいかった。

この後に、"You Only Live Once" -『暗黒街の弾痕』もあったのだが、ついこないだも見た気がしたし、カエルさんとか、すごくかわいそうな映画なので、とばして飯田橋に向かいました。

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