3.25.2019

[film] Forty Guns (1957)

16日の土曜日の午後おそく、BFIのBarbara Stanwyck特集で見ました。

翌日から出張で国の外に出てしまったので、これがこの特集で見た最後の1本になってしまった。
結局、“There's Always Tomorrow” (1955)も”Sorry, Wrong Number” (1948)も見れなかったよう。

邦題は『四十挺の拳銃』。 監督はSamuel Fullerなのに、これ、日本の映画館ではリリースされていないのね。

荒野の一本道をGriff (Barry Sullivan)、Wes (Gene Barry)、Chiko (Robert Dix)のBonell三兄弟が馬車で移動していると向こうから白馬一騎に率いられた野郎馬40騎(数えてないけど)が大名行列どけどけおらーの勢いでざざーっと通り過ぎて、なんじゃありゃ、てあっけに取られつつも、町に着く。
Griffはここに強盗を追って州の法執行官として着任したのだが町はさっきの騎馬団の先頭にいたJessica Drummond (Barbara Stanwyck)の組だか団だかに政治警察も含めて牛耳られていて好き放題に荒らされていて、さてどうする、なの。

町で狼藉を働いていたJessicaの弟のBrockie (John Ericson)を眼力だけでとっちめたGriffはJessicaとサシで会って話すと、ふたりは過去にもいろいろあったようで、一緒に竜巻から逃げたりしているうちに仲良くなっていくのだが、収まりのつかない駄々っ子のBrockieはだんだん凶暴になっていって、町には暴力の嵐が吹き荒れていく。

話の展開も決着も日本の昔の時代劇にいくらでもあるこてこての、既にどこかで見た気のするやつだらけなのだが、冒頭のすれ違いから銭湯で歌が入るとことか、GriffとBrockieとのにらみ合いとか、JessicaのとこのDinnerにひとり乗りこんでいくとこ(あのテーブルのばかみたいな長さ!)とか、銃器屋でのやりとりとか、竜巻から逃げるとことか、Wesの結婚式での悲劇とか、こういうシーンを映画的に捉えるというのはこういうことだ見とけ、みたいなのがごろごろ、はっ、て息をのむシーンばっかりでとにかく楽しい。

他方でタイトルの『四十挺の拳銃』が一斉に火を吹いて蜂の巣にするようなシーンはないし、Jessicaの手下の40人くらいいるはずの男たちはなんか薄くて、彼女とどういう契約になってて、どこに寝泊まりしているのか、家族はいないのか、とか、心配になることもいろいろあるのだけど。

そういうのを全て吹っ切って - 吹っ切っていいのかはあるけどそういうのすら吹っ切って - ラスト、馬を捨てたJessicaのう・う・う・ぅ・ぅ・どっこいしょ(やれやれ)、なかんじのGriffの馬車を走って追っかけのたまんんないことときたら。 本当はもっと意地悪なエンディングになっていたらしいのだが、これはこれでありだと思うし、あのままGriffが気づかずに行っちゃって取り残されて「… 」になったらもっとおもしろかったのになー、って。

Barbara Stanwyckさんは、男のスタントマンたち(女性役も可)ができないっていった嵐のなかのスタント - 馬に片足だけ引っ掛けて抜けない状態のまま延々引き摺られる - を「やったるわ」の一言でやっちゃって、Samuel Fullerも惚れた、って。

彼女の特集、今回やらなかったのもまだ見てないのもいっぱいあるので、続けてやってくれないかしら。 
Christmas in Connecticut (1945)はやってくれると思ったのになー。

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