3.17.2013

[log] March 14 2013 - NY

New Yorkに着いて、その午後から会議にぶっこまれてしんだ...
気温はだいたい0度くらい。 頭がきーんと冷えてちょうどよいかんじなんだが、雪まで降らなくたって...

行きの飛行機で見たのは、3本。

Rise of the Guardians (2012)

DreamWorksのアニメーションで、ずっと見たくて、こないだのLondonでもやっていたのだが、上映時間がどこも朝10時くらいだから見れなかったの。
Executive ProducerがGuillermo del Toroで、だからまちがいないはず、と。

自分が誰だかよくわかっていないJack Frost(氷の精)が、北極のサンタクロースのところに拉致される。
闇の国のPitch(ブギーマン)が蘇り、子供たちに危機が迫っていて、Tooth Fairy(歯の妖精)、Bunny(イースターうさぎ)、Sandman(眠りの精)と共にGuardianとして子供たちを守るように月から指名された、と。

ただ、Jack Frostは、子供たちにはあまり認知されていないし、自分がなんのためにいるのかもわかんないので半信半疑で、でも仲間と一緒に戦って子供たちと接していくうちに覚醒していく。
子供たちにとって妖精はなくてはならないもので、妖精は子供たちの夢や希望と共にある、だから子供たちから夢や希望がなくなると妖精たちもパワーダウンしてしまう → 世界は闇のなかに堕ちる、という世界観が大枠としてあって、妖精はいかにして妖精になるのか、子供たちはなんで守られなければいけないのか、などなどがとってもわかりやすく描かれている。 これってもちろん西欧のものだけど、でも、ごくふつうに正しくて、子供よか大人のほうが見るべき映画かも。

だから最後のほうのJamieとJack Frostの会話はほとんど泣きそうだったし、Sandmanの復活のとこは鳥肌が立って、シアターでみたら大泣きしてたと思う。
アニメで泣いちゃうレベルとしては"Toy Story 3"とおなじくらいかも。 そういえば、Toy Storyのおもちゃと、この映画の妖精 = Guardianはとっても近いところにいるのかもしれない。

こんなにすてきな映画をクリスマスに公開しなかった日本の映画関係者は全員ブギーマンとおなじくらいひどいと思う。 恥を知れ、だわ。
それに「不思議の国のガーディアン」じゃねえだろ。 現実世界のはなしだろこれは。 まじで。

Hitchcock (2012)

わたしは"Psycho"を見ていない。 子供のころにTVでみたシャワーシーンのとこが怖くておそろしくて、いまだに。
"Psycho"を作っていたときの苦労話を、Hitchcock(Anthony Hopkins)と彼の妻Alma(Helen Mirren)の関係を中心にいろいろ。
映画会社はこんなグロい映画に、と出資をしぶったので、自己資金でやることにして、でも夫婦仲はがたがたで、大変だった、と。
HItchcock自身のあれこれとか"Psycho"をよく知っていればもっと楽しめたのかもしれないが、しらなくても十分おもしろかった。

どちらかというと、Almaが転がしていく映画かも。Hitchcockはあたりまえのように、黒子のようにそこらにいて、うますぎて。
Helen Mirrenて、なんであんなに赤が似合うんだろ。

"Psycho"は最初全米で2館でしか上映されなくて、プロモーションが鍵だ、となったときに彼がたてた手作りプランがおもしろくて、実際それが当たってこの映画は史上に残る作品となったのだが、公開初日、シアターの扉の外での彼のうごきがすばらし。 扉の向こうで、観客の恐怖を指揮するの。

そういえばむかし、Hitchcock自身が登場する"Psycho"の長めの予告編を見たことがあったけど、あれも見事だったねえ。
本編もいいかげんに見ないとね。

Life of Pi (2012)

NYFFのWorld Premireのあとで、もういっかいちゃんと見てみよう、と。

「起こったことは起こったことで、そこにはなんの意味もないんだ」と中年になったPiは言う。
あれだけ尽くしてあげたRichard Parkerは、お別れのときに結局振り向いてもくれなかった。
果てのない、解のない円周率(パイ)を名前に持ち、3つの宗教を同時に信じていた彼がそれを言うとき、世界はあまりに救いのない、根拠のない、放棄されたものに見えてしまいはしないか。 

でも、この点にこそ、Ang Leeが映画に向かう動機はあるのだし、この線から眺めてみると"Hulk"も"Brokeback Mountain"も"Lust, Causion"もぜんぶ繋がってくるのかも、とおもった。
全てを語りおわったPiが、「ここから先はもう君の物語だ」というとき、その言葉を受けとめるのはカナダ人の作家であると同時にAng Lee本人でもあるし、映画を見ている我々自身でもあるの。
東洋的ななにか、という議論とは全く別のところで、彼をドライブしている、映画に駆り立てているもの、がここではっきりと見える。

そういったとこも含めての、オスカーの監督賞なのかも、とおもった。

あと、"Skyfall"ももういっかい見ようとしたが、アデルを聴いているうちにずるずると眠りの底にFallしまったのだった。

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