3.12.2013

[film] 感傷夫人 (1956) , 他

Londonから戻ったあとの映画とかをざーっと書いていく。 時間がなさすぎるー。

女妖 (1960)
27日の晩、神保町シアターの田中徳三と三隅研次の特集で見ました。

船越英二の人気作家先生が出会った3人の女性のおはなし。
ひとりは山本富士子で着物のまま金魚すくいにダイブし、もうひとりは野添ひとみで貧乏だから死にたいの、と言い、もうひとりは叶順子で先生はわたしのパパなの、と言う。
作家先生が仲良くなろうと思って近寄ってみると、その娘さんはみんなどこかしら変で困ったねえやれやれ、みたいな話。
なんか、作家だからって、いい人そうだからって、偉そうにするんじゃねえやこのすけべじじい! みたいなかんじにはなる。
昭和(エロ)文壇への抗議として書かれたものだったら、少しだけわかる。 でも、こんな程度で「女妖」って、ナイーブぶるのもいいかげんにしろ、だわ。
3人それぞれにとっても素敵だし、山本富士子なんて最高なのにさ。 船越英二は顔がつるつるすぎてなんというか。

斬る (1962)
28日の晩、神保町シアターで見ました。同じ特集ね。
とにかく、ぜんぜん目が醒めなくてだるくてたまらないので。

市川雷蔵が3年間ふらーっと修行に出て戻ってきたら(外見は爽やかなまま)最強の剣士になっていて、変てこな構えなのに相手は身動き取れなくなってやられちゃうの。
やがて周りの愛するひと達をみんな殺された彼は、幕府の偉いひとのボディガードになるのだが、敵の罠にはめられて主人を守りきれなくて、面目なし、っていって腹切っちゃうの。 出生に秘密とかあってとってもピュアなのはわかるけど、もうちょっとメンタルをつよくしたほうがー。
たぶん、斬ることの虚しさみたいのを伝えたかったのかもしれないが、あれだけ速くかっこよくばさばさ斬れるのであれば苦労ないはずで、だからなんで今更腹切っちゃうのかよくわかんなかった。 きっと疲れちゃったのね。 あ、画面の張りつめかた(特に後半、城内の)、ぱしぱし切れる緊張感ときたら剣と同じく半端じゃなかった。


感傷夫人 (1956)
2日土曜日の昼間、京橋で見ました。 タイトルだけ見てなんとなく。

夫を亡くして一年になる未亡人(月丘夢路)がいて、亡夫の後輩で彼女のことをずっと慕っている秋山(安井昌二)がいて、やはりそんな彼を横目で狙っている娘(北原三枝)がいて、その3人の間でいろいろすったもんだがあって、感傷夫人は涙にくれるの。
最初の、勢いのいっぱつで北原三枝を妊娠させてしまったので一緒にはなれませんごめんなさい、てしんみりあっさり身をひく秋山も、なにが起こってもめそめそ泣いてうなだれてばっかりの夫人も、どうしたもんかね、と見ていると、そのまままっすぐ、感傷の海にひたりっぱなしで終わってしまうので、なかなかびっくりした。 メロドラマで、そりゃ泣くしかないのかもしれないけど、それってそこらにあるただのしょぼい世間話とおなじだよね。 でも、画面はとってもしっとりしててすてきだった。

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