12.12.2023

[film] Plane (2023)

12月5日、火曜日の晩にTohoシネマズ日比谷で見ました。邦題は『ロスト・フライト』。

監督はJean-François Richet。筋を聞いて予告を見ただけでB級の駄菓子だわ、って思うもののなんか見たくなる。機内ではぜったいやらないだろうし。

“Olympus Has Fallen” (2013)などでGerard Butlerの演じるMike Banningモノもそんなかんじので、ちっとも強そうには見えない忠犬みたいなGerard Butlerがぼろぼろになったり地面を這いずったりしながら地道に敵を片付けていく。Bruce Willisのあれみたいにべらべら喋って威勢よくないし、そんなにタフにも見えないのだが、地味に沸騰しつつ地を這って負けないスコティッシュの踏んばり、ってやはり嫌いになれない。

機長のBrodie Torrance (Gerard Butler)はそんなにメジャーでないエアラインTrailblazer Airlinesのパイロットで、元はRoyal Air Forceのパイロットで、ひとつ前にはもっとメジャーなエアラインにいたのだが、迷惑客をぶん殴っちゃってここまで落ちてきていて、その辺については本人もどうでもよさそう。

彼のフライトは年末にシンガポールから東京を経由してホノルルに向かうやつで客は14人、離陸直前に殺人犯Louis (Mike Colter)の護送の依頼が入ったり - なんでわざわざ東京経由? - 天候悪化の予報が出ているのに上から燃料をケチられて迂回できるルートを取れないとか、ついてない運気が渦を巻いており、でもこの先映画がどこでどうなるかはわかっているのできたきたきた、しかない。

離陸後、悪天候でずっとやなかんじでがたがたしていた機内に落雷で電源が落ちて、客席がパニックになり、Louisを護送していた警官が通路に落としたスマホを拾おうと席を離れたのをCAさんが離れてはいけません、って近寄ったところで激しい揺れが襲ってふたりは天井から叩き落とされて簡単に亡くなってしまう。

コントロールを失って海に着水しかない、って覚悟した飛行機がとりあえず前方に見えたフィリピンの島に不時着するまでは導入でしかないのだが、小さい飛行機で悪天候できりきり怖い思いをしたことがある人にとってはなかなかにリアルでおっかなくて、こうなったらああ神さま、しかないよなー、って。

死者は出てしまったものの、とりあえずほぼ無事に着陸できたのはよかった、と助けを求めに行こうとしたところで、この島は反政府系ゲリラに支配されて警察も軍も機能していない場所であることがわかり、やばい、って戦慄しているとやっぱりそういう見るからに(この辺の風貌とか見せ方もいい加減に …)の連中がやってきて機長とLouis以外の乗客全員が連行されてしまう。

本国のアメリカでは、機が消息を絶ったの報を受けて緊急対策本部が立ち上がり、やばい方も含めたその道のプロっぽいおじさん(Tony Goldwyn)が動きだしたり、再会を待つ娘と機長とのぎりぎりのやりとりもあったりするのだが、武装したレスキュー隊が入ってくる以外、ほぼ大勢に影響はない。

現地の連中に対する動じない様子をみてLouisにあんた誰? って聞いてみると、過去を隠すためにフランスの外人部隊で傭兵をやっていたことがわかり、それなら手伝ってね .. と頼みもしないうちからあっさりほいほい敵をやっつけ始める。 彼がいなかったらあっという間に一同全滅したはず。

襲ってくる側のほうは強くて悪そうなリーダーと同様にガラ悪そうな舎弟みたいのがいて、ジャングルの地の利を活かしたねちっこくしんどいサバイバル戦になるかと思ったら全員が車でがーっと乗りつけてきて、揃ってばりばり撃ちだしたので、エアライン側が差し向けた武装した連中などに効率悪くやっつけられ、最後の脱出のとこだって”Die Hard 2”みたいにやれないこともなかったのに、なんだそんなもんかー、って終わってしまったのはやや残念だったかも。 なんのために襲おうとしたのよ?

あと、嵐と不時着であんなふうにぼろぼろになった機体を脱出のためもう一回飛ばすのと、レスキュー隊も来たことだしあの島にそのまま残って政府の救出を待つのと、リスクはどっちが大きかったのか。あの状態なら待ったほうがよかったのでは?

これの第二弾が”Ship” っていうのは本当なのか? そうしたら第三弾は”Train” になるのか? だれかがアンチ乗り物キャンペーンでもやろうとしているのか?

あと、年始からこれだったら、残りの一年なんもやるきにならないよね。

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