7.26.2022

[film] Minions: The Rise of Gru (2022)

7月15日、金曜日の晩、Tohoシネマズ日比谷で見ました。
IMAXではやってくれないみたいだし吹替版ばっかりで、字幕版での上映があんましないのが残念。邦題は『ミニオンズ フィーバー』。この前の週に見た”Thor: Love and Thunder”よりは楽しく笑えてコンパクトにまとまっていると思った88分。

“Despicable Me”シリーズのなかのスピンオフ - “Minions” (2015)からの続き。前回のは60年代のスウィンギンロンドンが舞台だったが、今度のは70年代(1975年)のアメリカ西海岸が舞台で、Gru (Steve Carell)は11歳で、ミニオンたちは既にそこらじゅうをうろうろしている。

まずはthe Vicious 6っていうプロの悪党集団がいて、Belle Bottom (Taraji P. Henson) - ベルボトム、Wild Knuckles (Alan Arkin)、Jean-Clawed (Jean-Claude Van Damme) -ロブスターの鋏、Svengeance (Dolph Lundgren) -ローラースケーター、Nun-chuck (Lucy Lawless) -ヌンチャク尼、Stronghold (Danny Trejo) -金属アームの6人 –これらの声優そのまま使って実写ものにしてほしい- がぶいぶい悪辣の限りを尽くしていて無敵で、最初に不思議なパワーをもつ宝石を泥棒をするところでWild Knucklesが老いぼれ、って仲間から弾かれて殺されて、欠員がでたVicious 6の求人に目を輝かせたのがGruで、まだ若いDr. Nefario (Russell Brand)が経営するレコード屋 – “Criminal Records”なんて素敵な名前!– に赴いて面接を受けるのだが落とされてしまったので、腹いせにそこにあった宝石を盗む。

そうやって盗んだ宝石をそいつは俺のもんだ、って実は生きていたWild KnucklesがGruごと誘拐して、それをミニオンたちが追っかけ、Gruが持ち帰った宝石はミニオンの一匹オットーが持ち出してペット石と無邪気に交換しちゃって、宝石を盗られたVicious 6もGruを追って、そこにVicious 6への復讐に燃えるWild Knucklesが絡み、ミニオン3匹はSFのチャイナタウンのカンフーマスター - Master Chow (Michelle Yeoh) - 実写で出してくれてよかったのに - からカンフーを習ってGruの救出に向かい、オットーは、宝石を胸につけていた気のいいバイカー(RZA)を砂漠の果てまで追っかけて… こんなふうにThe Load of the Ringsみたいに魔法の石を巡って善悪変態入り乱れてぐるぐるの追っかけっこをしていって、最後にぜんぶがブラックスプロイテーションふうに激突して燃えあがるの。それだけなの。

Gruの悪へと向かう意思 - “Despicable Me”という確信的なマインドセットが立ちあげられたのが前作だとすると、今作では悪に帰依した自分の帰属組織とか集団を探したり決めたりしようとしているかのようで、それは自分の家族(ママのとこ)でもメジャーな悪党団でもなく、彼ひとりと黄色のバナナ軍団とDr. Nefarioであったと..

そんな彼らの関係ってやはり(義)兄弟のそれになるのだろうか。“Despicable Me”のシリーズでは3人娘のパパになろうとしたり自分が結婚しようとしたり、自分の家族を作っていこうとするのとはやや対照的なかんじ。

メインの“Despicable Me”のシリーズが「悪いこと」をおれらこんなにも悪いんだからなーって地の果て月の彼方まで延々追求していったのに対して、こちらのシリーズはその態度とか姿勢がどうやってできあがっていって、そんな彼らがなんでそんなにくそ強いのかを掘りさげていて、“Despicable Me”の最初の方ではとにかく目障りでしつこくてとってもうざかった悪の手先のミニオンたちがだんだんと可愛らしくなっている(ように見える)ところはそれでいいのか → いいんだろうな、それが連中のやり口なのだろうな。

どこまでもナンセンスでなに喋っているのかちっともわからなくて自在に伸び縮みしてどんなことされても死なない – その強さが結果的に70年代の熱 = フィーバーのなかで「悪」を無効化して彼らのお祭りにしてしまう、その(本来の目的からすれば)悲喜劇というか、やっぱり楽しい。 なんも考えてない。いいなー。

この流れだと次は80年代なのか90年代なのか。グランジに染まった彼らを少しだけ見たいかも。

音楽は相変わらずすばらしい。メインのDiana Ross and Tame Impalaはもう少しがんばれたのでは、と思ったが、St. Vincentとか、Brittany Howardとか、Weyes Bloodが”You're No Good”のカバーやっていたりとか、あれこれたまんないの。

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