8.17.2019

[music] Russian Circles

こんなのTwitterですごいー! かっこいいー! て呟いて終わり、でよいのかもしれないがそこをもうちょっとがんばって掘ってみよう、って始めたのがこのサイトなので少し書いてみる。

14日、水曜日の晩、EartHっていうHackneyにあるライブハウスで見ました。いろいろあってへろへろで20:40くらいに着いたらちょうど前座が終わったところだった。ここのスタンディングのキャパは1200人らしいので結構でっかくて、2/3くらい埋まっている。 前の方にはぜんぜん行けない(見ればわかるよ)。

このバンドのライブは2016年にO-Nestで見て以来で、この時なんだろこれ?と思ったのは、その風貌(ごめんね関係ないよね)とかバンド名やジャンルの括られ方から来るイメージと反して - という程ではないが - 想像していた重さ濃さとは異なる硬さと疎結合のかんじだった。なんたらメタルでもうんたらコアでもよいが、こういうバンドが耳の周りを埋め尽くしてしまう重くて黒くて厚い粒子とか3層4層の盤石の壁とか圧風、おらおらどんなもんじゃー、がないの。

そういう風(かぜ)にあたりに行くライブも、それはそれでもちろんよいのだが、いまここで欲しいのは脳の端をグラインダーで削ってきーんとさせてくれるかき氷のような音 - 巨大扇風機というよりはかき氷 - で、このバンドはすばらしい手動のかき氷機を回して舌が切れて口の中が血まみれ(Blood Year)になるくらい粗挽きの素敵な氷をかいて撒いてくれるの。

始まったのは21:15くらい、ドラムスはドラムスの、ギターはギターの、ベースはベースのパートを堅持しつつ、それぞれの言葉で互いに対話しながら少しずつ高度をあげていく。各パートが自身のチューンと技巧で寡黙に饒舌に語っていくのでヴォーカルは別にいらない - あってもいいけど、くらい。この辺の疎の、野良のかんじが時折睨みあい、沸騰して吠えたり噛み合ったりする瞬間がきて、その間合いもよいの(即興のパートは殆どないと思うが)。 耳栓しなくてもぜんぜん平気、気持ちよいこと。

30分くらいやったところでベースの音が出なくなり、一度戻ったもののやはりだめになったので10分くらい中断して再開したのだが、そんな影響もなく1時間半みっちり。暴れたい人は前方で暴れていたようだったが後ろの方の人たちは放心して聴きいっているかんじ。がりがりどかどかゴールに向かって一気に走り抜ける、というより緩やかな弧を描きつつ元の地点に戻っていく天体のドラマにうっとりしていた。  似ているバンドはあるだろうか? ブラックホールを抜けていくRush、みたいな?

物販でアナログ買って帰った。ビルボードのアナログチャートに入っていたのには(メンバーも含めて)驚いたもんだが、これのClear & Gold Splatter盤はかき氷みたいにとってもきれいだし、聴いてみればこれってほんと針でごりごり進むアナログの音だよ。Electrical Audio (Albini氏の)録音だし。

日本でまたライブやってくれるのだとしたら、O-Nestよかでっかいところでお願いしたい。あの場所でもうSunn O)))やBorisの音は無理でしょ、それと同じよ。

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