8.31.2019

[film] Good Boys (2019)

18日、日曜日の午後、”Once Upon a Time… in Hollywood”を見たあと、ああオトナの世界はやだやだ、と思って、Curzon Aldgateに行って見ました。 邦題は『よいこ』しかないね。

4月に見た”Mid90s” (2018)はJonah Hillによる13歳の男の子たちのお話 - 90年代の昔のこと - だったが、こっちのプロデュースにはSeth Rogenが関わっていて(あ、Jonah Hillの名前もエグゼクティブ・プロデューサーにあった)、現代のガキ- Sixth Grade - のお話。 ”Mid90s”が作家性のようなものすら感じさせるまじめなComing-of-Ageものだったのに対して、こっちは安定のお下劣・バカコメディになっている(←ほめてる)。

Max (Jacob Tremblay)とLucas (Keith L. Williams)とThor (Brady Noon)の3人は幼馴染で一緒に大きくなって、いろいろ背伸びしたくてでもできなくて、でもできないことを認めたくないので踏んばってがんばればがんばるほどドツボにはまっていく、そのあがきっぷりがひたすらおかしい。 よくある「性の目覚め」ぽい要素もないことはないのだがそこにはその言葉が呼びこむような甘さも感傷も微塵もない、身も蓋もないお下劣感はSeth Rogenとしか言いようがない。

MaxはクラスメートのBrixleeのことが気になっていて、呼ばれたパーティで彼女とキスすることができるかもしれない、というので、ならキスのやり方を勉強しなきゃと近所のティーンの女子Hannah (Molly Gordon)がキスするところを探ってみよう、とパパ(Will Forte)のドローンを飛ばして寄ってみたらHannahとその友人に軽く叩き落とされ、でもどさくさで彼女のドラッグ(エクスタシー)を奪って、ガキ3人と女子2人の知恵をしぼった駆けひきと追っかけっこが始まって、”Neighbors 2” (2016)にもあったような女子 vs. 男子の仁義なき戦いが繰り広げられていくの。それに加えて、果たしてMaxはパーティでBrixieeとキスすることができるのか、壊されたパパのドローンを元に戻すことができるのか、ていうはらはらがあり、更にはLucasは両親が離婚をするというので心細くて揺れているし、学校のミュージカルのオーディションに応募したいThorももやもやしているし、錯綜して混乱して自分でなにがどうなっているのかわからず近視眼でいっぱいいっぱいの子供たちの頭の中そのもの、みたいなどたばたで、映像も含めて落ち着かないったらないのだが、こんなもんよ、てな軽さはなかなかよいの。

日本でもようやく公開される”Eighth Grade”も、いまだにロングラン上映されている ”Booksmart”- ほんと傑作だよこれ - にしてもこれにしても、最近の子供たちを描いた映画ってなんでこんなにおもしろいのかしら? 昔からこういうのはあったはずだし、子供たちは真剣なのだからおもしろがってはいけないのかもだけど、このSNSの時代に(だからこそ?)彼らの切実な真剣さはなんだか貴重で、最後の砦(なんの?)ではないかという気がする。彼らを思いっきり泣かせたり笑わせたり絶叫させたり、その声と眼差しを野に放たなければ、って。(あと、”Eighth Grade”もこれもパパがよいのね)

“Room” (2015)ではひどい目にあっていたJacob Tremblayくんが元気いっぱいに走り回っているのも素敵で、あそこから繋がってぶれていないかんじも少ししたり。

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