6.11.2019

[film] The Little Foxes (1941)

7日、金曜日の晩、BFI で見ました。 ここの6月の特集で”Playing the Bitch”ていうのが始まっていて、その中の一本。 特集のイントロにはBette Davisさんの言葉 - ”When a man gives his opinion, he’s a man. When a woman gives her opinion, she’s a bitch” があって、そうよね、としか言いようがなくて、他方で上映作品リストを見るとそうかなあ?みたいのもあるのだが、いろんなBitchがいるしあってよいのだということで。

元はLillian Hellmanによる戯曲で、Broadwayでも当たったお芝居をHellman自身が映画用にも脚色したもの。邦題は『偽りの花園』。監督はWilliam Wyler、撮影はGregg Toland。 痺れるくらいにすごいやつだった。

米国南部のお屋敷に暮らすRegina (Bette Davis)がいて、彼女のふたりの兄弟Benjamin (Charles Dingle)、Oscar (Carl Benton Reid)と共に金と財力に飢えていて、Oscarの妻Birdie (Patricia Collinge)の実家の資産とか、シカゴの資産家からの投資とか、Oscarの息子のLeo (Dan Duryea)とReginaの娘のAlexandra (Teresa Wright)との結婚とか、いろいろあてにしたり画策したりしてみてもうまくいかず、やはり心臓の病で離れて療養しているReginaの夫のHorace (Herbert Marshall)を狙え、ということでAlexandraを遠くまで迎えにやって、なんとか屋敷に連れ戻してくる。

連中の汚れた腹と企みをじゅうぶん知っているHoraceは首を縦にふらず、そんな病弱の夫に対してReginaは容赦なく責めたてる(あんたなんかどうせもう死んじゃうのよ)のだが、ラチがあかないので銀行に勤めるLeoがHoraceの貸金庫を..

外はざーざー雨がずっと降っている建物の内側、一族が集うお屋敷の暗がりで、善玉 – Horace, Alexandra, Birdie, 近所のDavid (Richard Carlson) と悪玉 – Regina, Benjamin, Oscar, Leoがくっきりきれいなコントラストを描き、互いにどこまでも妥協も諦めもしないバトルを繰り広げて、小ギツネ達はいちいち闇の向こうに散ってなんかやろうとする。

そんなことまでしてお金ほしいの? なんのため? て聞きたくなるくらいみんな貪欲で執拗で、でも、特にReginaに対してもその問いがいくと、あたしが女だからそういうんでしょ? そうよだからやってやるのよ、おらおら、ってものすごい剣幕になるので震えるしかない。 屋内の照明の奥で浮かびあがる彼女の表情の線(隈取り)と目つきとその背後から立ち昇るものすごい妖気、そこから逃れられない閉塞感ときたらそこらのホラーの比ではないかんじ。そこまでホラーしてしまうようなふたりがなんで結婚したのか、は最後の方で少しだけ語られるけど、それにしてもねえ。

最後にはこうなるしかないよね、というようなところ - でもHappy EndingでもBad Endingでもなく、Reginaがひとり屋敷に取り残されて、ふん、どうしろっていうのさ、というところにまで落ちて、するとここから新たな地獄の蓋が...

DavidがLeoをビンタして、Leoの吸っていた葉巻がひしゃげて、それでもおらおらって追って往復ビンタするところがなかなかたまらなかった。  これもそうだし、責めたての執拗さくどさって、南部のあれかもしれず、最近の映画のだと”The Beguiled” (2017) にあったああいうの、と同じやつかしら?

とにかく終わってからみんなたまらん、てかんじで大拍手したの。

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