6.20.2019

[film] Aladdin (2019)

14日金曜日の晩、Leicester Squareのシネコンで見ました。 なんか評判よさそうだし、程度で。

SOHOでもまだミュージカルやってて人気みたいだけど見たことなくて、92年のアニメーション版も見たことなくて、魔法のランプとか空飛ぶ絨毯のお話しでしょ、程度。あとディズニーだからいろんなクオリティは保証されているのよね – かったるいのであんま考えたくないしー ていう泣く子には菓子でも食わせとけ、程度の投げやりなあれで行く、ていうのはまさにディズニーのやり口にはまってしまった典型ではないのか、でも..    以下えんえん。

最初のシーンは隣を滑っていく豪華そうな大型帆船を見つめていいなー、ってやっている小舟に乗った子供たちにお父さん (Will Smith)がお話してやろう、って言うの。で、お話しはお猿と一緒に下町を闊歩しているスリのAladdin (Mena Massoud)はお城からこっそり抜けだしてきたおPrincess Jasmine (Naomi Scott)と出会ってぽーっとなるのだが、お前は違うだろってJafar (Marwan Kenzari)に捕まり、魔法のランプを探すのじゃ、って洞窟に連れてこられて空飛ぶ絨毯に会って、ランプも見つけて、擦ってみたら煙とともに青塗りの巨人Genie (Will Smith)が現れて3つ願いを叶えてやるよ、っていうのでまずはPrinceになってPrincessを、て言ったら"Prince Ali of Ababwa"に変態して行進しながら姫の元に現れることができて幸せが見えてくるのだが、Genieはそんなに好きならそんなウソつかないでちゃんと言えば、てアドバイスすると、うるせえよって微妙なかんじになって、そうしているとJafarがランプを手に入れちゃって..

冒頭からパパが子供に聞かせるファンタジーていうタグが付いているのでもっと好き勝手に暴れちゃっていいのに、と思うのだが、思っていたほどに世界は広がらなくて、JasmineがほしいAladdin、自由がほしいJasmine、権力がほしいJafar、願いを叶えるのが仕事ですのGenie、の四者&猿 vs 鸚鵡、が壮大な風景(祝祭空間、とかいうの?)なかで小突きあいをしながらいろいろ学んでいく、そんな程度で、曰く、ひとのなかみは職業や身分で決まるものではない、ウソついてもすぐばれるのよ、ランプの精はなんでもできるわけじゃないのよ、とか。 で最後には自分にとって、というよりも互いにとって大切ななにかを発見して、それは決して富とか権力ではないし、言うことなんでも聞いてくれる召使でもないし、わかってるよな、って。

女性に対する目線、アラビックなエスニックなヒトとかモノに対する配慮、貧しい人たちに対する配慮、モロッコのようなイスタンブールのような街の風景に対する配慮、などなどいろんな心遣いがてんこ盛りで、ああでもこれってディズニーのいつもの誰に向かっているのかはわからないけど結局は白人客層向けのあれなんだろうな、て思うと冒頭の小舟もディズニーランドのアトラクションにあるやつにしか見えなくて、あーあ。

なのだがそういうのをてきとーに蹴散らしておらおら、ってやってくれるのがWill SmithのGenieで、昔の – “Bad Boys”とか最初のMIBとか90’sの – 彼が持っていた無軌道なノリが復活していたのは嬉しかった。 彼の軽いステップやくねくねダンスは閉じ込められること、縛られることとそこから自由になることはどういうことなのか、を教えてくれる気がして、この映画に希望があるとしたらそこかも。 最後はあんなおっさんになっちゃうにしても。

Jasmineのトラ、いいなー。 もっと暴れてほしかったのになー。

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