1.12.2019

[film] Welcome to Marwen (2018)

7日の月曜日の晩、Liecenster Squareのシネコンで見ました。Robert Zemeckisの新作なのに既に上映館と回数は減ってきていて慌てて駆け込んだ。 おもしろいのになー。

冒頭、二次大戦中(と思われる)の飛行機の空中戦があって、Steve Carellがパイロットをやっているのだが、よく見ると彼の声で喋って動いているのはつるつるした人形 - Cap'n Hogieで、やがて被弾した飛行機が不時着すると敵のナチスとの銃撃戦があって、味方と思われる女性兵士6人とかも出てきて、でもあるタイミングでそれが終わると、それらのミニチュアセットを前にカメラを抱えたMark Hogancamp (Steve Carell)が現れて、彼はそのセットと人形をいっぱい写真撮影しているのだが、彼の頭のなかではそれは一連のシナリオに基づいて動きまわる複数の物語になっていて – それがMarwenというベルギー辺りの架空の町を舞台にしていること、などもわかってくる。

やがてMarkが数年前にバーで暴漢たちに襲われて大怪我をして一部の記憶を失い(それまではイラストレーターだった)、PTSDにうなされながらMarwenの物語を撮影して発表していることがわかってきて、映画はそんな彼を見守る町の人たち – Marwenに登場する味方の女性兵士は彼を支える彼女たちのコピー – と、向かいの家に越してきたNicol (Leslie Mann)との交流と、裁判所での彼を襲った被告たちとの対決、などを綴る。のと並行して、Marwenの物語も実生活や彼自身のエモのアップダウンと微妙にリンクしたり影響を受けたり – Nicolも当然人形として登場したり - しながら進んでいく。 そこにはDeja Thoris(声:Diane Kruger)ていう魔女が神棚の奥にいて彼をダークサイドに引き込もうとしていて、ナチスはどこまでも追っかけてきて果ても終わりも見えなかったりする。

二次大戦時のベルギーで飛行機乗りがナチスを相手に戦って、味方は女性たちのみ、Markがどうしてそういうストーリー設定に行きついたのか、更にそこに彼の嗜好 - 女性の靴フェチ - がどう関係してくるのか等々、これは実話をベースとしているので、そういうのは精神科医のなんとか療法とかドキュメンタリーとかが掘っていけばいいのだし、実際にこの作品の前には”Marwencol” (2010)ていうドキュメンタリー映画があったりする(未見)。

ここでZemeckisが描こうとしたのは、そういう物語世界なしに人が生きていくことの厳しさ難しさ、そういう物語を介してのみ生きることができる、そういうふつうの人たちから見れば変に見えてしまうような生のありようがあるということ、それって彼が映画で実現しようとしてきたことそのもので、人形劇と実写のダイナミックな交錯の意味もそこにあるんだろうな、って。なのでこれは”Forrest Gump”(1994)だし”Cast Away” (2000)だし、”Back to the Future” (1985) もそういうことだったのかも、とこれを見て改めて思ったりした。

映画のようにその世界に浸って終わり、というわけではなくて、“Cast Away”でのWilsonとの別れと同じように、ここでもある決別が描かれるのだが、それをやるためにあんなのを出してくるとは思わなかったわ。

映画のなかではトラウマを抱えていたり病気だったり特殊な状況に置かれたひとたちのドラマになっているけど、これって本読んだり映画みたり音楽聴いたりしないと酸欠の金魚になってしんじゃう自分なんかもそうなのかもしれない、って。 それって仕事の後にバー行って飲んで週末にスポーツ見たりやったりしたらすっきりしちゃう人達とは別のあれで、別だからどっちがどう、とかそういう話ではなくて、この映画でも描かれているように両者の間にはどうしようもない溝があるようだから、そこを尊重してそれぞれのファンタジーを生きるようにできれば世界は平和でいいのにな、って。 (すげえてきとーに投げとくヤリ)

Steve Carellはますます今の時代のTom Hanksになっていくのかしら。映画ではSteve CarellもLeslie Mannも昔のアメリカのお人形さんのつるっとした顔で、人形と実写の差異がほとんどないかんじなのもすごい。”Ready Player One” (2018)もこのノリでやったほうが面白くなったかも。

そしてZemeckisなので、50-60年代の激甘の音楽が押しては寄せてきてたまんないの。 Markの頭のなかで常に鳴っている音なのだろうから、文句のつけようがないわ。

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